畑用と海用
クバ笠は強い日差しの石垣では日常的に使われています。畑仕事されている方の被っていたクバ笠に目がとまり聞いてみると幅が広い畑用と、海風に飛ばされないように幅を狭くした海用の二種類があるとの事でした。
布袋竹の骨組み
クバ笠の骨組みに使われているのは、稈の根元の近い部分に布袋様のお腹のような膨らみのある事から名前が付いている布袋竹と呼ばれる小型の竹材です。真竹のように太い竹ではないものの乾燥するほどに堅くなる性質のある丈夫な竹材です。
蓬莱竹の竹ヒゴ
蓬莱竹は株立ちのバンブー類に分類される竹です。四国、九州では防災のために川岸に植えられている事も多い竹ですが、沖縄や九州、高知では竹細工にも使用されています。
素材はクバ
ヤシ科のクバは亜熱帯では良く見られる植物です。クバを使ったミノや笠、扇、フダイと呼ばれる柄杓、草履(サバ)など様々な民具に利用されてきました。
職人の手作り
クバと蓬莱竹を使って、ひとつひとつ丁寧な職人の手作りです。そして、それが今でも畑や海で使われているのは素晴らしい事だと感じます。
クバの経年変化
竹と同じようにクバも時間の経過と共に渋い色合いになってきます。
クバ笠上部とあご紐
クバ笠上部を見るとヤシ科の葉っぱを上手く使って製造されていてる笠だというのが良く分かります。内側には、しっかりとホウライチクの竹骨入りです。あご紐にはワニグチモダマ(鰐口藻玉)の種が付いており、留めるのに便利です。
軽さの秘密
内側に使っていた竹ヒゴを細い紐に変える事によって軽量化されています。
竹皮まんじゅう笠
高知には竹皮を使ったまんじゅう笠があり極細にとった竹ヒゴを螺旋状にして製作されていますが、このクバ笠も同じような作りになっています。
サイズ
天然素材を手作りしておりますので、形や色目、大きさが写真と若干違う場合があります。
※お手入れ方法
お手入れはサッと手早く水洗いして完全に水分をふき取ったあと直射日光をさけて風通しのよい場所で十二分に乾燥させてください。浸け置き洗いや食器洗い機などのご使用は絶対にお避けくださいませ。
※保管方法
保管の際には直射日光を避け、風通しの良い場所でお願いいたします。ビニール袋など通気性の悪いものにいれての保管はカビの原因となりますのでご注意ください。
※細い竹の毛羽立ちが出ている場合がございますのでお取り扱いにはご注意ください。