飾らない、無骨な表情
懐かしいお母さんの漬け物樽を思いだします。飾り気はないけれど、無骨で丈夫な和樽のようなおひつ。日本唯一の虎竹のタガ(胴輪)で渋く締め上げた特製です。
おひつでごはんは美味しくなる
木が余分な水分を適度に吸収し乾燥すると水分を戻す特性があるため、昔から炊きあがったご飯は木のおひつで保存されてきました。保温ジャーなど電化製品の登場で忘れられているおひつ、実はゆっくり食事を楽しんだり、ご飯を美味しくいただけるスグレモノなのです。
ツヤツヤ、一粒一粒が旨い
おひつに家族分のご飯を入れて食卓でよそう。そういえば小さい頃はこうでした。ひさしぶりのおひつのご飯、余分な蒸気を吸い取りベタつきもなく、お米一粒、一粒の旨みと甘みが口にひろがるよう。
おひつパワー
水分を調節しながら冷ますことができるのでお昼のお弁当やオニギリをつくる際にもおひつは大活躍、冷ましたお米に差がでます。
微妙な木片のテーパー
杉は水を吸うのでオヒツ、寿司桶等には適した素材です。昔ながらの製法を守る桶作りは、長方形の木片をピッタリとひっつくようにカマと呼ばれる木製のサシに合わせながら斜めに削りをいれる事から始まります。 木片の中央部分がほんの少しだけ微妙に多く削られるように一枚一枚の木片を作っていきますが、手に正直に削れていく事からこの工程は「正直合わせ」と呼ばれています。
米のり
接着剤の無かった昔から桶作りには米のりが使用されて来たと言います。何度も何度も米粒を練って粘着力のある米のりが出来るのです。
毛羽立ち
製作には四国産杉材を使用しています、丸い形に組んだ状態では指で触れると接着面もハッキリと判別できるほど。内側の木材には毛羽立ちも見えています。
手削り
内側の仕上げは機械を使う事なく全て手削りにこだわっています。カンナ掛けする事により木材表面の仕上げは更に美しく、水切れや黒ずみの少なさなど長くご使用いただく間に差がでてくるのです。
曲線美
手削り前と、手削り後では見た目はもちろん手触りに驚くほどの違いがあります。自然素材の木材を見極めながらのカンナ掛けは正に職人技です。
日本で唯一 土佐の虎斑竹(とらふだけ)
「虎斑竹(虎竹)」は淡竹(ハチク)の仲間に分類され、高知県須崎市安和の虎竹の里でのみ、稈の表面に虎模様が浮かぶ不思議な竹です。この模様は、幹に付着した寄生菌や潮風の作用によるとの学説もありますが、科学的には未だ解明されていません。実際に各地方に移植を試みましたが、何故か模様が付く事はありませんでした。
明治44年、当時日本最高の植物学者達が絶滅寸前の虎斑竹の保護のために、建白書を時の政府に提出しました。これが今日の天然記念物条例発布の導火線となり、天然記念物保存法が発令され虎斑竹はその第一号の指定を受けたのです。
イギリスBBC放送も取材に来た「ミラクルバンブー」
左の写真が、自然に生えている状態の虎竹です。この虎竹をガスバーナーで炙り、竹自身から出る油分で拭き上げると右の写真のように虎模様がはっきりと浮かび上がります。この珍しい虎竹(Tiger Bamboo)を取材するためにイギリスBBC放送までもが虎竹の里を訪れ神秘的な虎竹に「ミラクル!」を連発されていました。
竹職人達の想いが繋ぐ虎斑竹
竹は秋から1月下旬までが伐採のシーズンです。虎竹もこの期間に一年分をまとめて伐ります。竹職人達は急勾配の山道を運搬機と共に分け入り、一日中重たく長い竹を切り運び出すのです。そして、大きさや品質で選別したのち、ガスバーナーによる油抜き、矯め直しという製竹作業を行います。一本一本の個性を最大限に生かすために、熟練した職人の手で竹を炙り、まっすぐに矯正されるのです。こうして製竹された虎竹が、様々な竹製品へと生まれ変わります。
四国産の杉材
森林率84%で日本一という高知県を有する四国には四国山脈、四万十川や吉野川など雄大な自然があり山の恵みが豊富です。そんな四国で育った杉材を材料にひとつひとつ手作りで仕上げられています。
継ぎ目部分
木目の違いで継ぎ目は分かりますが、綺麗な仕上げで指で触れても継ぎ目が探せないくらいです。
心を満たす食事時間
ただ、空腹をみたすだけの食事ではなく大好きな人に囲まれた心を満たす食事時間を一段と楽しくしてくれそうな小物がまたひとつ。大事に使いこんでいくうちにどんな表情と風合いになっていくのだろう?もしかしたら幼なかった遠い日にも戻れるかも?考えただけで笑みがこぼれる。ちょっと、わくわくしています。
サイズ
天然素材を手作りしておりますので、形や色目、大きさが写真と若干違う場合があります。
ご使用について
ぬらしておくとカビがはえる事もあったり、反対に乾燥させすぎるとタガが外れたり木製おひつの取り扱いは結構面倒ですが、毎日使い続けることが基本です。
お手入れ方法
手早く水洗いして直射日光をさけて風通しのよい場所で十二分に乾燥させてください。浸け置き洗いや食器洗い機などのご使用は絶対にお避けくださいませ。
※ご使用の前に
はじめてご使用になる前には、一度アク抜きを行ってください。全体を水洗いした後、おひつなどは中に酢水をはって行います。(米のとぎ汁でも良い)その後軽く水洗いをして乾いた布で表面の水分を拭いて乾かします。
※虎竹タガおひつ3.5合用の洗い方
スポンジやたわし等でお米のぬめり気がなくなるまで洗ってください。お米がこびりついている場合にはぬるま湯でひたして少しふやかした状態で洗います。洗った後は水気を切り布巾で拭き取り逆さにして乾燥させてください。
※お手入れ方法
日常のお手入れはサッと手早く水洗いして食品カスをきれいに落としてください。食品カスが残っていると黒ずみの原因になります。洗ったら、乾いた布で表面の水分をしっかり取り、直射日光をさけて風通しのよい場所で十二分に乾燥させてください。また乾燥は必ず日陰の室内で行ってください。水分を拭き取らずに乾かすと、木が急激に収縮し割れやタガ落ちの原因になります。濡れている時間が長いほどカビや黒ずみが早く出ます。 浸け置き洗いや食器洗い機、乾燥機などのご使用は絶対にお避けくださいませ。
※保管方法
保管の際には直射日光を避け、風通しの良い場所で十二分に乾燥させてから白い半紙など紙にくるんで逆さにして保管してください。ビニール袋など通気性の悪いものにいれての保管はカビ・黒ずみの原因となります。また、極端に温度が高くなったり、乾燥したりする場所での保管はお避けください。乾燥のしずぎはタガのゆるみやタガ落ちの原因となりますのでご注意ください。
※タガが緩んでしまった場合
自然素材の木は日常的に膨張と収縮を繰り返しています。季節や使用環境、頻度により違いますが木は水を吸うと膨張する性質を持っています。タガが緩んでしまった場合は、水をくぐらせ木に水分を吸わせて膨張させる事も一つの方法です。
※木材の匂いが気になる場合
湯通ししていただくか、いっぱいに入れたお湯にお酢を適量いれて2~3時間置いておくと和らぎます。