渡辺竹清作 虎竹ショルダーバッグ
網代編みの巨匠と言われる渡辺竹清先生のショルダーバッグとしては最後の作品。30数年間、大事に保管されていた籠には当時先生用にと特別に厳選された虎竹が使われています。
網代編みの巨匠 渡辺竹清
昭和 7年 竹芸師・清の次男として生まれる
昭和41年 「竹清」を襲名
昭和53年 日本伝統工芸展入選
昭和54年 有名宝石店T社専属デザイナー エレザ・ペレッティ女史と出会う
昭和58年 日本工芸会正会認定 伝統工芸士に認定
竹に新たな命を与える
まさに、網代編みの巨匠という名にふさわしい渡辺竹清氏。網代編み(あじろあみ)では右に出る者はいないと言われる最高峰の技術で、100年経った煤竹を編み上げる究極の技。伝統的な技が、竹に次の100年を生きる新たな命を吹き込んでいきます。
魅了される虎竹模様
自然な虎模様が入った繊細な竹ヒゴを渡辺竹清先生の極みの技で編み込むことにより独特の風合いが醸しだされます。
日本で唯一 土佐の虎斑竹(とらふだけ)
「虎斑竹(虎竹)」は淡竹(ハチク)の仲間に分類され、高知県須崎市安和の虎竹の里でのみ、稈の表面に虎模様が浮かぶ不思議な竹です。この模様は、幹に付着した寄生菌や潮風の作用によるとの学説もありますが、科学的には未だ解明されていません。実際に各地方に移植を試みましたが、何故か模様が付く事はありませんでした。
明治44年、当時日本最高の植物学者達が絶滅寸前の虎斑竹の保護のために、建白書を時の政府に提出しました。これが今日の天然記念物条例発布の導火線となり、天然記念物保存法が発令され虎斑竹はその第一号の指定を受けたのです。
イギリスBBC放送も取材に来た「ミラクルバンブー」
左の写真が、自然に生えている状態の虎竹です。この虎竹をガスバーナーで炙り、竹自身から出る油分で拭き上げると右の写真のように虎模様がはっきりと浮かび上がります。この珍しい虎竹(Tiger Bamboo)を取材するためにイギリスBBC放送までもが虎竹の里を訪れ神秘的な虎竹に「ミラクル!」を連発されていました。
竹職人達の想いが繋ぐ虎斑竹
竹は秋から1月下旬までが伐採のシーズンです。虎竹もこの期間に一年分をまとめて伐ります。竹職人達は急勾配の山道を運搬機と共に分け入り、一日中重たく長い竹を切り運び出すのです。そして、大きさや品質で選別したのち、ガスバーナーによる油抜き、矯め直しという製竹作業を行います。一本一本の個性を最大限に生かすために、熟練した職人の手で竹を炙り、まっすぐに矯正されるのです。こうして製竹された虎竹が、様々な竹製品へと生まれ変わります。
上蓋
かぶせ式の上蓋は両サイドの籐ループに通したショルダー紐をゆるめて開閉します。
籐かがり
竹バッグで傷みやすい四隅の底角部分、本体角部分、縁巻には細い籐で強く丁寧に仕上げられています。
内張
綺麗に貼られた内張、上蓋の内張りの一部に薄いシミがあります。
「竹清」
しっかりした底の力竹に竹清の銘が輝ます。
ご愛用の方ご自身で
最後の渡辺竹清作ショルダーバッグには通し紐はお付けいたしておりません。ご愛用の方がご自分のお気に入りの紐を通してお楽しみください。
サイズ
天然素材を手作りしておりますので、形や色目、大きさが写真と若干違う場合があります。
※ご注意ください
内側の布部分の一部に薄いシミや剥れがみられますが、籠の圧倒的な存在感からすればどちらも気にしなければ見逃してしまうほどのレベルです。
※保管方法
保管の際には直射日光を避け、風通しの良い場所でお願いいたします。ビニール袋など通気性の悪いものにいれての保管はカビの原因となりますのでご注意ください。