竹×桜皮
青々とした美しい畳表を連想してしまいそうなくらい、緻密な竹編みの箕(み)。最大の特徴は、ギッシリとした竹のゴザ目編みに桜皮が編み込まれている事。 昔からずっと続く暮らしの中から生まれ、磨かれてきた実用性と機能美を兼ね備えた逸品なのです。
青と白のツートンカラー
箕(桜皮)の特徴のひとつは、編み込みの色合いが青色と白色のツートンカラーになっている事。青く見える編み込みは竹表皮部分、白く見える箇所は竹の身の部分の色合いが見えているのです。箕の編み込み途中から竹ヒゴを裏返して編んでいるのですが、雑穀類のふるいをする場合に使いやすいように箕先端部分半分は滑りのよい竹表皮にして、手元半分とは違えていると言われています。
箕(桜皮)の製造
受け継ぐ竹技
師匠は、その師匠から教わった。代々受け継がれてきた熟練の竹技を、そのまま同じように繰り返し編み込んでいきます。
編み込み
昔はアケビのツルを細く裂いて紐にして使っていたと言われますが、今はタコ糸に桜皮、竹ヒゴをあわせて編み込みます。桜皮を集めに行くのも職人の大事な仕事です。樹皮をはぐのにも技術があって木を傷めず表皮部分だけを薄く剥いでいくことが必要なのです。
編み込み完了
だいたいのサイズは帳面に記載しています。編み込みが完了したら切り込みを入れ縁の仕上げにかかります。
型枠と熟練技
箕の縁には柔らかくて強さのあるビワの木を使います。型枠にはめて約1週間おいて、Uの字型にしてから使っていきます。笑いながら、熟練職人の手はサクサク動いていきます。簡単そうに見える手仕事ほど難しいものなのです。
チンチクの竹編み
箕に使われる竹はチンチクと呼ばれる株立ちのバンブー類に分類される竹です。チンチクとは「沈竹」と書き空洞のある竹にしては珍しく身が厚く水に沈む竹と言われます。蓬莱竹(ホウライチク)と言われる事が多く、数百年前に日本に渡来した竹と言われていますが川原などに多く自生していて、非常にしなりがある竹の性質から、昔はロープ代わりに使用していたという職人さんもおられる竹です。そんなチンチクの柔らかい竹質を活かし細い竹ヒゴをつくり細やかな編み込みの箕が作られているのです。
内側角部分
内側角部分のあしらいは、技術的にも難しいところですが、頑丈な作りになっています。
カズラとビワの木
縁巻きに使われるカズラも桜皮同様に職人自ら山に入り集めてきた素材、日当たりの良いところのカズラは避け、地面をはっている性質のよいカズラだけを採取しています。自らの目で選んだカズラを縁巻きに丁寧に使って仕上げていくのです。そして、縁に使われているUの字型にしたビワの木は、枝の元と先で比較的太さが均一になっている所から多用されているとも言います。一つの箕に大小2本のビワの木が使われます。
桜皮の補強
箕で一番痛みやすい奥のL字になった外側部分には耐久性を高めるため竹編みの上に桜皮がくるように工夫されています。 もともとは、ヒエやアワなど雑穀類をふるいにかける事に使われている箕なので桜皮が外側にくることにより使い勝手もよいのかも知れません。
内側と箕先端
内側の桜皮は耐久性と共に雑穀類が竹編みに入り込まないようにと差し込まれています。箕先端部分の編み込みから顔をのぞかせる桜皮。外側に折り曲げられて竹に編み込まれています。
外側角部分
箕外側の編み込みを重ねた角部分は、しっかりとカズラで留められています。
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サイズ
天然素材を手作りしておりますので、形や色目、大きさが写真と若干違う場合があります。
※ご注意ください
自然素材を手作りしておりますので、写真のようにビワの木部分に虫食い穴がある場合がございます。ご使用には差し支えございませんので何卒宜しくお願いします。
※お手入れ方法
お手入れはサッと手早く水洗いして完全に水分をふき取ったあと直射日光をさけて風通しのよい場所で十二分に乾燥させてください。
※保管方法
保管の際には直射日光を避け、風通しの良い場所でお願いいたします。ビニール袋など通気性の悪いものにいれての保管はカビの原因となりますのでご注意ください。
※細い竹の毛羽立ちが出ている場合がございますのでお取り扱いにはご注意ください。