日本唯一の虎竹で作った竹和紙
竹繊維の紙は、実は昔から作られていたのです。竹を細かく砕いて繊維質にして和紙にする工程は、楮(こうぞ)や三椏(みつまた)等の自然素材と基本的には違いがないと思います。身近な植物ですので、それを加工して和紙にするのは、ごく当たり前の事だったかも知れません。自分達が作る竹和紙なら、やはり日本唯一の虎竹を使って作りたい。地元高知の土佐和紙職人さんと力をあわせ、自分達にしかできない虎竹和紙をお届けします。
虎竹和紙の製造
虎竹を原料にした竹和紙
高知は豊富な水資源があり昔から手漉き和紙の盛んな地域として知られています。昔ながらの土佐和紙職人さんも沢山おられますので、竹虎も以前より竹和紙作りにはずっと取り組んできたのです。和紙作りの職人さんの長年と知恵と技術で原料となる虎竹を長期間水につけ込むなど、手間暇かけた竹和紙作りが始まりました。
こりゃあ和紙にならんぜよ~
今年は大きな誤算がありました。ある日、突然に土佐和紙製造会社の社長さんからある連絡を受けたのです。「竹虎さん、おまん、こりゃあ和紙にならんぜよ~」日本唯一の虎竹を和紙にするためには長期間水槽で水に浸けておき、柔らかくなった所で撹拌して繊維を取りだしていきます。ところが、今年の虎竹はどういう訳か、例年どうおりの製造工程では和紙素材に適した柔らかさにならないのです。
同じ性質の竹は一本もない
いつもと同じ原料の虎竹のはずなのですが竹には個体差があります。極端にいえば同じ性質の竹は一本としてなくて、丸い形や、伸び具合、曲がり、粘りなど一緒の竹林に育つ竹でもそれぞれ違いがあるのです。今回の竹につきましては、虎竹和紙にする竹ですから全体からすると本当に極わずかな量、虎竹の里の大きな自然のバイオリズムの中で、少し硬い個性を持った性質の虎竹だったのでしょうか?
手作業で繊維質に
とにかく虎竹を和紙に漉ける細かい繊維質にしないといけませんでした。土佐和紙工場から、いったん持って帰ってきた竹素材を竹虎の職人たちが、木槌でひとつひとつ叩いて砕いていきます。すでに柔らかくなっていて、手で強く握るとボロッと崩れるような竹もあります。しかし、これではまだまだ。和紙に漉けるような状態ではありません。半日がかりで細かい繊維質に叩き終えた頃にはクタクタ、手の感覚がなくなって言う事をきかないほどだったのです。
土佐和紙工場
丁寧に叩いて細かい筋状の竹繊維にしたところで、再び土佐和紙工場で和紙漉きの加工に入ります。虎竹和紙作りをお願いしている和紙工場は、大型機械で大量に和紙漉きをする工場に比べると本当に手作りで受け継がれてきた伝統の技術が活きる職人の和紙漉きと呼ぶにふさわしいものです。何本もあるパイプからは近くを流れる仁淀ブルーの伏流水が溢れだします。こんな綺麗な水が豊富にある土地柄だからこその和紙漉きの伝統なのだと、つくづく感じます。
虎竹和紙完成
竹繊維の残る素朴でしっとりした風合い、黄金色の上品な色合い、パルプを混合して耐久性も申し分ない、日本唯一の虎竹を使ったはじめての和紙がようやく漉きあがりました。
日本で唯一 土佐の虎斑竹(とらふだけ)
「虎斑竹(虎竹)」は淡竹(ハチク)の仲間に分類され、高知県須崎市安和の虎竹の里でのみ、稈の表面に虎模様が浮かぶ不思議な竹です。この模様は、幹に付着した寄生菌や潮風の作用によるとの学説もありますが、科学的には未だ解明されていません。実際に各地方に移植を試みましたが、何故か模様が付く事はありませんでした。
明治44年、当時日本最高の植物学者達が絶滅寸前の虎斑竹の保護のために、建白書を時の政府に提出しました。これが今日の天然記念物条例発布の導火線となり、天然記念物保存法が発令され虎斑竹はその第一号の指定を受けたのです。
イギリスBBC放送も取材に来た「ミラクルバンブー」
左の写真が、自然に生えている状態の虎竹です。この虎竹をガスバーナーで炙り、竹自身から出る油分で拭き上げると右の写真のように虎模様がはっきりと浮かび上がります。この珍しい虎竹(Tiger Bamboo)を取材するためにイギリスBBC放送までもが虎竹の里を訪れ神秘的な虎竹に「ミラクル!」を連発されていました。
竹職人達の想いが繋ぐ虎斑竹
竹は秋から1月下旬までが伐採のシーズンです。虎竹もこの期間に一年分をまとめて伐ります。竹職人達は急勾配の山道を運搬機と共に分け入り、一日中重たく長い竹を切り運び出すのです。そして、大きさや品質で選別したのち、ガスバーナーによる油抜き、矯め直しという製竹作業を行います。一本一本の個性を最大限に生かすために、熟練した職人の手で竹を炙り、まっすぐに矯正されるのです。こうして製竹された虎竹が、様々な竹製品へと生まれ変わります。
土佐和紙職人
清らかな水をたたえる高知県仁淀川流域は脈々と続く土佐和紙継承の地。脇の用水路にも、川底まで見える透明感のある、たっぷりの水がゆったり、ゆったり流れる。紙漉きは「水」だと思う。和紙漉きの工房で、職人はただひたすら水と向き合っている。
1.原料の加工
虎竹を約1ヶ月もの時間をかけて柔らかな繊維質にしています。触ると紙粘土のような感触。大量の水に繊維をとけ込ませます。繊維が沈まないように、トロロをくわえ水の粘度をあげています。
2.紙漉き(かみすき)
漉きあがり
漉き桁を逆さにむけて外すと、漉き込んだ虎竹和紙が綺麗に並んで出来上がっています。
3.乾燥
仕上げ
仕上げはスチームで暖められた金属製の鉄板にはりつけての乾燥作業です。三角柱の形をした特殊な構造で、一面から三面までクルクル回しながら貼っていきます。一回転した頃には最初に貼った和紙は完全に乾燥して製品となっています。
表と裏で違う風合い
なめらかな手触りの表面と、漉き込んだ繊維質が少しざらつき感のある裏面があります。
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耳付き和紙
手漉き和紙ならではの耳付きです。
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Q.家庭用プリンターで印刷できますか?
A.ご家庭でお使い頂くプリンターでも印刷可能です。
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Q.虎竹和紙名刺と虎竹和紙ハガキの厚みは同じですか?
A.どちらも紙の厚みは同じとなっております。
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Q.虎竹和紙名刺と虎竹和紙ハガキの素材は虎竹とパルプとの事ですが、虎竹は何%使われていますでしょうか?
A.虎竹は50%使用しております。
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化粧箱に100枚入り
虎竹和紙名刺は100枚入りセットになっています。虎竹和紙は少し厚みがあるため、別誂えの高級感のある専用箱をご用意しました。