黒竹そのままに
高知は黒竹の産地でもあります、虎竹の里のすぐ近くにある黒竹を使った団扇をずっと作りたいと思っていました。何の変哲もないうちわに見えるかも知れませんが、持ち手が違います、太い竹を割った平たい竹ヒゴを持ち手にして先端の骨にするのではなく、特産黒竹を丸いまま、自然そのままに持ち手に使うウチワなのです。
和紙と柿渋
青い未熟のがら柿から採取する柿渋(渋引)を塗って仕上げています。柿渋を塗る事によって、防水、防腐、防虫効果が高まり、和紙が丈夫で長持ちするのです。また、長く使うほどに風合いが増してくる美しさは渋団扇ならではの魅力なのです。
丸竹
平たい竹を団扇にするのにも熟練の技が必要ですが、粘りのある黒竹を丸竹のまま細く割って団扇の骨にできる職人はわずかです。
黒竹のこだわり
黒竹は、細くても非常に丈夫な竹です。黒竹のツヤは、塗料ではありません。竹をバーナーであぶった時に竹からにじみでる竹の自然な油分です。この丈夫さと竹の独特のしなりを生かして竹虎では縁台や玄関すのこに使っています。表面の色は、生えてから秋頃までは緑色ですが、次第にメラニン色素が増えてきて紫黒色、又は、紫褐色に帯びてきます。青竹と比べて幹が細いのが特徴です。
伐採してきたばかりの黒竹は自然のものですから一つとしてまっすぐなものはありません。そこでまず黒竹をまっすぐに直すため「ため直し」という作業を行います。黒竹はガスバーナーで一本づつ丁寧にあぶられ、竹自身から出る油分で拭き上げると見違える様にツヤが出て美しくなります。黒々とツヤが出た黒竹は、匠の熟練の技でため直され(曲がりを専用のため木で矯正する)真っ直ぐな黒竹の製品へと生まれ変わるのです。
経年変色
近年あまり活躍の場がなくなっている団扇ですが、黒竹を使った特別な一本を経年変色を楽しみながら長くご愛用いただきたいと思っています。
サイズ
天然素材を手作りしておりますので、形や色目、大きさが写真と若干違う場合があります。
※お手入れ方法
お手入れはサッと手早く水洗いして完全に水分をふき取ったあと直射日光をさけて風通しのよい場所で十二分に乾燥させてください。浸け置き洗いや食器洗い機などのご使用は絶対にお避けくださいませ。
※細い竹の毛羽立ちが出ている場合がございますのでお取り扱いにはご注意ください。