男の巾着袋
舞妓籠、芸妓籠、あるいはお座敷籠などと呼ばれる事もある巾着の付いた竹籠、 着物姿の方や夏の浴衣で持ち歩くことの多い竹籠のひとつです。しかし、今まで自分が持ち歩きたくなるような巾着籠があまりなかったのです。今回の巾着籠は男性の方にこそ、お使いただけるよう渋い風合いを大切に仕上げました。
虎斑竹×生地「竹虎」
日本唯一の竹である虎竹を使い編まれた四ツ目の籠に、虎竹の虎模様をイメージして特別に編まれた、その名も「竹虎」という名の織物を合わせた虎竹巾着籠(小)です。老舗竹屋竹虎ならではの、こだわりから生まれた今までにない巾着籠です。
「竹虎」という名の織物
老舗、宮田織物株式会社
生地「竹虎」を編んでいただいたのは、福岡県にある創業大正2年の老舗である宮田織物さん。一本の糸から厳選して久留米絣の流れをくむ美しい織り・デザインの布地を生み出し、自社工場で作務衣や半纏などの縫製までを行っています。
和木綿
和木綿(わもめん)は、宮田織物さんオリジナルブランド。竹虎生地も、こちらの技術を使い和木綿で織り上げられています。
生地「竹虎」の試作
生地「竹虎」が生まれるまでには様々な試行錯誤がありました。びっくりする程の沢山ある織りのパターンの中から、虎竹の虎模様に近いイメージを何枚か選び出し、更にデザイナーさんが無限とも言えるような組み合わせから作り出したものなのです。
お陰で生地「竹虎」は虎竹特有の虎模様を落ち着いた黒糸と優しく光る金糸で表現された納得のいく柄模様となって出来上がったのです。
生地「竹虎」
日本唯一の虎竹の虎模様を織物に表現する。今まで思ってもみなかったような生地を生み出されるとは、さすが老舗宮田織物さん。伝統の技に驚嘆するばかりです。
虎竹を贅沢に使う
当初の予定では、虎竹の巾着籠は竹籠部分を表皮と身の部分を交互にあしらい、少しだけ染色して風合いを出すつもりでいました。ところが巾着部分の生地が「竹虎」という名前まで付いた別誂えの素晴らしい織物となりました。そこで、竹籠部分も負けてはならじとばかりに虎竹表皮部分の竹ヒゴを使い全面に模様を出した籠に変更しました。また、染めもせず自然の虎竹そのままの風合いにする事にしたのです。自分が思い描いたように、まとまりの良い、渋い感じに仕上がっています。
虎竹四ツ目編み
縦と横の竹ヒゴの編み目が交差する洗練された四つ目編みです。昔からの馴染みのある編み方と形はシンプルだからこその風合い、飽きのこないデザインなのです。
日本で唯一 土佐の虎斑竹(とらふだけ)
「虎斑竹(虎竹)」は淡竹(ハチク)の仲間に分類され、高知県須崎市安和の虎竹の里でのみ、稈の表面に虎模様が浮かぶ不思議な竹です。この模様は、幹に付着した寄生菌や潮風の作用によるとの学説もありますが、科学的には未だ解明されていません。実際に各地方に移植を試みましたが、何故か模様が付く事はありませんでした。
明治44年、当時日本最高の植物学者達が絶滅寸前の虎斑竹の保護のために、建白書を時の政府に提出しました。これが今日の天然記念物条例発布の導火線となり、天然記念物保存法が発令され虎斑竹はその第一号の指定を受けたのです。
イギリスBBC放送も取材に来た「ミラクルバンブー」
左の写真が、自然に生えている状態の虎竹です。この虎竹をガスバーナーで炙り、竹自身から出る油分で拭き上げると右の写真のように虎模様がはっきりと浮かび上がります。この珍しい虎竹(Tiger Bamboo)を取材するためにイギリスBBC放送までもが虎竹の里を訪れ神秘的な虎竹に「ミラクル!」を連発されていました。
竹職人達の想いが繋ぐ虎斑竹
竹は秋から1月下旬までが伐採のシーズンです。虎竹もこの期間に一年分をまとめて伐ります。竹職人達は急勾配の山道を運搬機と共に分け入り、一日中重たく長い竹を切り運び出すのです。そして、大きさや品質で選別したのち、ガスバーナーによる油抜き、矯め直しという製竹作業を行います。一本一本の個性を最大限に生かすために、熟練した職人の手で竹を炙り、まっすぐに矯正されるのです。こうして製竹された虎竹が、様々な竹製品へと生まれ変わります。
職人苦心の籐かがり
一番傷みやすい本体の底部分の四隅の角には、籐かがりをして補強されます。今回の四ツ目編みの籠には、さりげなく、それでいてしっかりと四隅を守る職人苦心の籐かがりをお願いしました。
力竹
底部分には力竹を入れています。負荷のかかりやすい場所だからこそ、耐久性を考えた作りです。
使い勝手の良い巾着
巾着の口部分は、ゆるいカープをもたせた作り。コンパクトながらも財布やスマートフォンなど、大切なものを、しっかり入れられる使い勝手の良い収納力です。
肌触りの良い袋紐
竹虎生地の風合いに合わせて、黒い袋紐を選びました。手首にぶら下げてもよいし、手に持っても心地よい手触りです。
デザイン性抜群
使わない時はサッと片づけられます。巾着部分を折りたためば、きれいに、コンパクトにまとまるので収納にも便利です。
2つの大きさ
虎竹巾着籠(小)は普通サイズと小サイズの2つの大きさをご用意しています。セット使いされるのも良いかもしれません。
普通サイズ 虎竹巾着籠はこちら >>>
サイズ
天然素材を手作りしておりますので、形や色目、大きさが写真と若干違う場合があります。
※保管方法
保管の際には直射日光を避け、風通しの良い場所でお願いいたします。ビニール袋など通気性の悪いものにいれての保管はカビの原因となりますのでご注意ください。
※細い竹の毛羽立ちが出ている場合がございますのでお取り扱いにはご注意ください。