不思議に思った背負いかご
一目見たら忘れられないユニークな形の背負いかごです。普通の背負いかごは、角型にしろ丸型にしろ、底面は広くなって背負いかご自身で自立するのが当たり前ですが、「かるい」と地元の職人さんが呼ぶこの背負いかごは、横から見ると逆三角形の形をしており平地では自立しないようになっている独特の形なのです。どうしてだろう?不思議に思った背負いかごです。
急峻な山間部、土地の暮らしが育んだ形
かるいが生まれた土地には今でこそ大きな橋が架かっていますが、もともとは深く切り立った谷間で、急斜面の続く地域。昔からの耕作地も山の斜面を開墾した段々畑だったそうです。そこで、この背負いかごの独特の形なら斜面に立てかけたままで担いだり、おろしたりする事ができるので、重たい荷物を入れての農作業や山仕事には最適の形だったと言われます。まさに、土地の暮らしが育んだ形なのです。
一筋の迫力
祖父の代から伝わる背負いかごを、ただひたすら編み続けてきた職人さん。工夫を続けながらずっとやってきた迫力と、静かに燃える自信を感じます。
30年は、使えますよ。
この背負いかごは編み目も特徴的。縦ヒゴは口部分でねじるように折り返し、竹の強さをさらに引き出すつくりになっています。「30年は、使えますよ。」なるほど納得の作りです。
道具としての堅牢な竹編み
毎日の仕事の道具として作られただけあって竹編みは堅牢。横にまわす竹ひごは3重に巻かれています。
ぐるりと一周、力竹
外側の底部分を一文字に補強して立ち上がった力竹は口部分で内側に折れ曲がり、内側から立ち上がってきた力竹と合わせて、針金でガッチリと留められています。内側、外側両面に入った丈夫な竹を縛りあうことにより、これ以上ない補強となっています。
職人さん手作りのワラ編みベルト
なんと、ワラ編みベルト(担ぎひも)も職人さんの手作り。肩にあたる部分は幅広にして適度な硬さで担ぎやすく工夫されています。
しっかり取り付け
ワラの担ぎベルトは驚くほどしっかり作られて、背負いかごに取り付けられています。片方には小さなワラのループがあり、収納時の壁かけなどに便利です。
サイズ
天然素材を手作りしておりますので、形や色目、大きさが写真と若干違う場合があります。