ワインクーラー

生まれ育った孟宗竹の竹林から竹虎に引っ越してきて、はや数週間。慣れ親しんだ安和の虎竹の里を飛び出して今日は、東京へ嫁ぐことになりました。素敵なあの人と暮らす、竹のある生活にときめく心･･･。でもここ高知県を遠く離れて、全然知らない都会へ行くのも少し不安なの。田舎者の私が竹のワインクーラーとして、立派にやっていけるのかしら。

今までお世話になった竹虎の皆に挨拶をしなくっちゃ。竹虎四代目に竹職人さん、竹虎スタッフと仲間の竹細工たち･･･今日まで一緒に過ごしてくれてありがとう！竹の職人さんが私をピカピカに綺麗にしてくれたことも同じパーティグッズ仲間として黒竹ビール運び君や虎竹ワインホルダーちゃん、竹のビアグラスさんと夢を語り合ったことも、山岸竹材店　竹虎で過ごした時間を、私一生忘れません！

虎竹に真竹に孟宗竹･･･竹にはたくさん種類があるから、竹職人さんはいつも朝から大忙し。今日は、竹の積み込み作業をしているのね。真竹がトラックにたくさん！あの子たちはこれから湯抜きしに行くのかな。

竹職人さん、本当に力仕事お疲れ様です！こうやって虎竹の里の竹が、たくさんの人とかかわって、素敵な竹雑貨になって全国に嫁いでいくんですね。私もみんなに負けないように、孟宗竹のワインクーラーとして頑張らなくちゃ！

この職人さんは竹の竹垣とか、様々竹のインテリアグッズのために切断作業をしているみたい。竹って私みたいにしっかりして身の厚い子もいれば、黒竹玄関すのこさんみたいにとっても細い竹もあるんです。一本一本、みんな太さも形も違うから竹の切断作業はすごく大変らしいの。豊かな竹のある暮らしを提供するのに、この切断作業は「基本のき」であって、一番大切な仕事なんですよね。

湯抜き作業場で湯ぬき職人さんに、こんにちは！心優しい職人さんたちは、いつも竹たちに挨拶してくれるんです。いつも大切に扱ってくれて、ありがとう。ここはさっきの真竹さんたちが熱～いお風呂に入って綺麗になる場所なの。

なんと入浴後はしばらくしたら体が真っ白になって真竹さんから白竹さんになっちゃうんです。うーん･･･前々から思っていたけれど、やっぱり不思議。火傷しないように気をつけて、湯ぬきのお仕事頑張って下さいね。

ああ、懐かしい。私もこうやって匠の手作業で切り出しから削り作業、塗装まで心をこめてやってもらったんだっけ。私の兄弟や妹たちは何に生まれ変わらせてもらえるのかしら。竹踏み器に竹の鬼おろし、梅干ざるかもしれない･･･みんな私みたいに良い人に出会えると良いな。

ベテラン職人さんの正確でてきぱきして腕を見ていると、ついつい時間を忘れてしまいそう。きっと明日もあさっても、皆こうやってしっかり伝統技術を受け継いでいくんだろうな。

皆に挨拶をしていたら、そろそろお迎えがきちゃう。名残惜しいけど･･･竹のワインクーラーのとら子、あの人のもとへ行ってきます！竹虎の工場の皆さん、須崎市安和の虎竹の里の皆さん･･･今まで沢山ありがとう！

最後に孟宗竹の竹林まで連れてきれくれて、竹虎四代目もありがとうございます。両親はもちろん、おじいさん、おばあさん、親戚のおじさんやおばさん、近所のみんながお別れの挨拶をしてくれました。こうやって小さい筍の頃からたっぷり愛情をもらったおかげで、私は立派な孟宗竹になれました！竹林に竹虎のみんな･･･こんなに沢山の祝福に包まれて旅立てるとら子は、虎竹の里で一番の幸せものです。