山里の名人作
竹箒を作りだしたのは小学校の時だと言います。なんせ当時は自分の使う箒を持参せねばならなかったそうで、職人さんは小さい頃から手先が器用で綺麗な竹箒を作ると評判だったそうです。それから竹の旬が良くなると、暇を見つけては竹箒作りに励んでいます。作業場で作り始めると、一人また一人と近所の方々が集まってきて感心しながら見つめている、そんな地元でも評判の名人作竹箒なのです。
孟宗竹と五三竹
箒の穂には孟宗竹の枝を使います、優しいのにヘタらない掃き心地は一枝づつ竹枝を厳選しているからこそ。そして、柄は乾燥するほどに硬く丈夫になる五三竹(布袋竹)、マダケの仲間で全長は6~8メートル程度、直径も4センチ程度と小振りな竹で密集して生えますから護岸用の竹としても昔から重宝されていた竹です。
孟宗竹について
孟宗竹は虎竹の里に育つ虎竹などよりも直径が太く高さもある日本最大級の竹です。江戸時代に中国から入って来た竹とは、とても思えないほど日本各地の津々浦々に成育していますが、これは竹の強い生命力もさる事ながら、あらゆる里山に移植された証であり、いかに日本人に孟宗竹が必要とされてきたかを雄弁に物語っています。
五三竹について
護岸用の竹として川岸に良く見られる五三竹は、布袋竹とも言われ独特のコブが出来るから持ち手に最適で、竹虎では遍路杖としても使っている竹です。手触りの良さから釣り竿などにも多用されています。
古老の職人の手仕事
五三竹の竹枝を一本だけ残し、この竹に切り揃えた竹枝を巻き付けていくから竹枝が抜ける事がありません。巻き付けた竹枝はワイヤーで何重にも堅牢にしっかりと固定されています。
職人たちの口コミ
切り揃えられた竹枝の丁寧なしつらえ。毎日のように竹箒を酷使する職人たちから絶対の信頼を得ているのは、このような細かいけれど確実な仕事をして丈夫な箒を作っているからに他なりません。孟宗竹の枝は、節間の短く小枝の多いものを厳選して使います。
副産物の有効活用
かつて箒の先に使われている竹枝は、筍農家さんが竹林管理のために孟宗竹を伐採した後に、枝打ちされて竹林に残った副産物の竹穂を有効活用して作られていました。だから、筍の産地に行けば、必ず箒を作る職人さんがいたものです。安価な筍が海外から輸入されるようになってから、孟宗竹の竹林には人手が入らなくなり、国産竹箒の伝統もほとんどが消えてしまっています。
サイズ
天然素材を手作りしておりますので、形や色目、大きさが写真と若干違う場合があります。
※ご注意ください
自然素材で手作りしているため、穂先の硬さや長さ、先端の広がり具合等にはばらつきがございます。また写真のように竹柄部分に虫食い穴や表皮のはがれがある場合がございます。ご使用には差し支えございませんので何卒宜しくお願いします。
※保管方法
保管の際には直射日光を避け、風通しの良い場所でお願いいたします。ビニール袋など通気性の悪いものにいれての保管はカビの原因となりますのでご注意ください。
※細い竹の毛羽立ちが出ている場合がございますのでお取り扱いにはご注意ください。