衣類の収納に最適な一閑張りの衣装籠
一閑張り(いっかんばり)とは、中国明の時代の飛来一閑という学者が考案した加工法とも、雨期や農作業の閑を見つけて加工したから、柿渋を使用する事により耐久性が増し一貫目の重さに耐えるからとも言われる昔ながらの伝統の技法です。竹編みの素地に高知県特産の土佐和紙を丁寧に貼り付け、柿渋で仕上げた落ち着きのある風合いの衣装かごとして最適です。真竹の四ツ目編みの上に丁寧に和紙を貼り、柿渋で仕上げられています。
楮100%の風合い
楮(こうぞ)特有の繊維のからみがあり、表皮に若干のケバ立ちが出来る場合もありますが工業的に生産されたパルプとは違う、昔ながらの楮100%の和紙にこだわり製作しています。手で触れると心地のよい和紙の風合いを感じられます。特別な棕櫚束子(しゅろたわし)で、楮和紙から竹編みが浮かび上がる表情を出すために丁寧に仕上げました。
竹編み×一閑張り加工の技
国産の竹編み
竹編みの素地には、海外製の籠を使う場合がほとんどですが、素地から伝統の日本の職人にこだわり製作しました。和紙で隠れてしまうと思われがちですが、和紙貼りの下から浮かび上がる美しい竹ヒゴのラインは熟練職人の技を感じる仕上がりです。耐久性と風合いを醸し出すために職人は妥協しません。柿渋を五回塗り重ねるのは、中学時代から学んだ頑固な父親譲りの技法です。
重ね貼りと柿渋仕上げ
下地の和紙の上に色付きの和紙に糊付けし、シワに気をつけながら貼り付けます。和紙を貼り付け乾燥させた後は、いよいよ仕上げの柿渋塗布。柿渋を使うことにより、更に強度をまし重たい中身を入れても長くご愛用いただける丈夫な籠となるのです。
竹・和紙・柿渋
日本に昔からあって、ずっと使われてきた素材たち。だからでしょうか。竹、和紙、柿渋で作られた一閑張りの衣装籠は使ったことがなくても、どこか懐かしさがあり、温もりがあり、心の安らぎを感じるのです。手作りのため一つ一つ色合いに違いがあります。
縁取りと底角部分
手提げ口部分の色目を変える事によって高級感がでました。持ち手と縁取りの色合いを揃えて全体的にもバランスの良い仕上がりとなっています。底の四隅の角部分にも一手間かけて、違う色目の和紙貼りをしています。
内側の和紙貼り
一閑張りの魅力は、本来は隠れた部分となっている下地の竹部分かも知れません。今の時代にも細々とながらも、こんな竹編みの仕事が続いていて本物の一閑張りを製作できることに、感謝したい気持ちでいっぱいです。
サイズ
天然素材を手作りしておりますので、形や色目、大きさが写真と若干違う場合があります。
※ご注意ください
シワや柿渋の染みや色むら、歪みがある場合がございます。また、和紙の切れ目が筋の様に見える場合がございます。柿渋は使うほどに濃い色合いに変化し、だんだんと目立たなくなりますので、経年変色を楽しみながらご愛用ください。
※保管方法
保管の際には直射日光を避け、風通しの良い場所でお願いいたします。ビニール袋など通気性の悪いものにいれての保管はカビの原因となりますのでご注意ください。