竹筆の歴史
竹筆の歴史は古くルーツは中国大陸にまでさかのぼります。一家に一本当然のようにあったと言う竹筆。日本でも子供が生まれた時の命名時には竹筆を使ったという話も聞きますがこれは、竹がたったの3ヶ月で親竹と同じ大きさになるという姿にあやかって健やかな子供の成長を祈ったものだそうです。
日本唯一の虎竹で書きたい。
そんな竹筆の魅力に取り憑かれたのが釈迦院時雄先生。40数年にわたって竹筆づくりに邁進される先生の技で日本唯一の虎竹筆を作ることはできないだろうか?
最近、会社でもプライベートでも手紙などにも筆を使うことが多くなりました。まったくの自己流ですが筆づかいの面白さや楽しさに時間を忘れる事もあります。そんな自分が竹筆を知り、そして、どうしても虎竹の筆で文字が書きたい、そんな思いが募り虎竹筆が生まれたのです。
釈迦院時雄先生の竹筆工房
目の前に美しい海の広がる静かな工房。景色をながめながら竹筆づくりに励まれる。
竹筆の技
故西田幾多郎先生が竹筆でしたためた書の美しさに魅了されて以来、竹筆作りの探求のため全国をまわり試行錯誤を重ねられて完成した竹筆の技です。
一期一会
釈迦院時雄先生が2~3年の歳月を費やし創作された竹筆の大作。なんと4万5000本もの筆先を漆で固めたものだそう。ズラリと並ぶ展示室で「一期一会」の書を頂きました。
細い細い竹筆先
硬い竹から、バラバラの細かい繊維を根気よく取り出しています。実は竹は繊維の固まりなのです。細い細い繊維が沢山集まり1本の竹になっています。筆の命ともいえる筆先は竹を細く割る、煮る、叩くなど約3ヶ月もの工程を経て仕上げられていきます。
虎は千里を駆ける
日本唯一の虎模様の竹です。「虎は千里を行って千里を帰る。」という言葉をご存じでしょうか?一日に千里を駆けて千里を戻るほどの非常に勢いのある様子のたとえです、そして虎は千里を走るが我が子を思い千里を帰ってくるという親子愛の強いたとえでもあります。「松竹梅」と言われますように竹は縁起がよいと言われますが、その竹の中でも虎竹はこのようにお子様の命名にはふさわしい一筆であると思います。
虎竹筆は命名だけではなく日常のお手紙であったり、遊びの書であったり使い方は自由自在ではありますが、あえて「虎竹命名筆」とさせていただきましたのは、古くから命名に使われてきた歴史と虎竹ならではの、このような理由があるからなのです。
天然虎竹使用
虎竹筆は自然の虎竹をそのまま使用しています。太さはだいたい揃えていますが天然竹のため太さや形、曲がり、節、色合いなどそれぞれ違います。 虎竹筆は太さも、もちろん重要で(大)、(中)、(小)、(特小)の4種類に分かれていますが一番大事なのは筆先部分。筆のサイズでこの部分の長さが違います。
日本で唯一 土佐の虎斑竹(とらふだけ)
「虎斑竹(虎竹)」は淡竹(ハチク)の仲間に分類され、高知県須崎市安和の虎竹の里でのみ、稈の表面に虎模様が浮かぶ不思議な竹です。この模様は、幹に付着した寄生菌や潮風の作用によるとの学説もありますが、科学的には未だ解明されていません。実際に各地方に移植を試みましたが、何故か模様が付く事はありませんでした。
明治44年、当時日本最高の植物学者達が絶滅寸前の虎斑竹の保護のために、建白書を時の政府に提出しました。これが今日の天然記念物条例発布の導火線となり、天然記念物保存法が発令され虎斑竹はその第一号の指定を受けたのです。
イギリスBBC放送も取材に来た「ミラクルバンブー」
左の写真が、自然に生えている状態の虎竹です。この虎竹をガスバーナーで炙り、竹自身から出る油分で拭き上げると右の写真のように虎模様がはっきりと浮かび上がります。この珍しい虎竹(Tiger Bamboo)を取材するためにイギリスBBC放送までもが虎竹の里を訪れ神秘的な虎竹に「ミラクル!」を連発されていました。
竹職人達の想いが繋ぐ虎斑竹
竹は秋から1月下旬までが伐採のシーズンです。虎竹もこの期間に一年分をまとめて伐ります。竹職人達は急勾配の山道を運搬機と共に分け入り、一日中重たく長い竹を切り運び出すのです。そして、大きさや品質で選別したのち、ガスバーナーによる油抜き、矯め直しという製竹作業を行います。一本一本の個性を最大限に生かすために、熟練した職人の手で竹を炙り、まっすぐに矯正されるのです。こうして製竹された虎竹が、様々な竹製品へと生まれ変わります。
竹筆で文字を書いてみました
竹筆の一番の特徴は墨もちのよさ。1本1本の竹繊維が墨を吸うので、とても良くかけます。そして独特のかすれや竹筆の竹繊維ならではの味わい。まさに竹筆ならではの個性的な文字になります。
使い方
ご使用の前に必ず約50度以上のお湯で筆先全体を5分間程度ひたし糊を取ってください。また、それ以降のご使用の際には約1分間程度水にひたし、筆先がふっくらとしてからご使用下さい。糊がとれると筆先が柔らかくなりますので墨をつけてご使用いただけます。
専用の入れ物
虎竹筆(大)、(中)には専用の紙箱がついていますので贈りものなどにも最適です。虎竹筆(小)、(特小)は専用の不織布に入れてお届けいたします。
サイズ
天然素材を手作りしておりますので、形や色目、大きさが写真と若干違う場合があります。
※虎竹命名竹筆のご使用方法
ご使用の前に必ず約50度以上のお湯で筆先全体を5分間ほど浸し、糊を取ってください。糊がとれると筆先が柔らかくなりますので墨をつけてご使用いただけます。ご使用後はよく水洗いをして風通しのよい日陰で乾かして下さい。また、2回目以降のご使用の際には1分間程度水にひたし筆先がふっくらとしてからご使用下さい。
※保管方法
保管の際には直射日光を避け、風通しの良い場所でお願いいたします。ビニール袋など通気性の悪いものにいれての保管はカビの原因となりますのでご注意ください。