世田谷ベースの奇蹟
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そもそも3月に、テレビ東京の「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」という番組に取り上げていただいたことがキッカケでした。ああ、そう言えばあの時も、たまたま放送局まで送り忘れていた虎竹茶を届けに行って、そしたらせっかく来たのだったら、他の出演者の皆様と一緒にスタジオ収録していけば言って頂いてそこで所さんとお話させていただいたのがコトの始まりなのです。
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東京から遠く高知まで2日間も取材にお越しいただいて、竹虎の工場や店はもちろんですが日本唯一の竹林や職人さん、特にあまり取材いただく事のない山の竹炭職人まで今回は番組の中でいろいろとご紹介頂きました。
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待ちに待ってようやく完成した空気清浄機「竹風」。竹にこだわった逸品を少しでも早くお届けしたいと荷造りしようとした、その時…いやいやせっかく出来上がった竹風、あの時もスタジオまで竹茶をお届けさせて頂いたのだから宅配便でお届けするのは簡単だけれども今回も所さんの所まで自分の手でお持ちしたいと思ったのです。
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届け先の場所を確認してみたらテレビで何度か拝見した事がある、あの有名な世田谷ベース言うところのようです。所ジョージさんの自慢の車や趣味や遊びの道具など一杯のオモチャ箱のような空間、確か都会の高級住宅地の真ん中にあるのに畑まであって野菜も作られている面白い場所です。「畑か…それなら田舎者の自分にも少し親近感がわいて行きやすいにゃあ」気軽にそんな事を思っていました。
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しかし自分のような田舎者からしたら全くの別世界です。住所が分かる以外はどのような所なのか分かりませんし超多忙な所さんが世田谷ベースにいるワケもありません。何の連絡もなしに突然行ってどうなるものか分かりませんが、とにかくチャレンジあるのみ!竹のように真っ直ぐしか行動できないので仕方ないなあと自分でも半分呆れるのですが、やるしかありません。
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東京は車が多くて渋滞してどうにもならんようなイメージがあります。もちろん、そのような時が多いのでしょうが、この日は運良くまったく混雑らしい混雑もなく、また、ドライバーを頼んだ友人が都心部の運転に思う以上に慣れていて予想をはるかに上回るスムーズさで迷う事なく世田谷ベースに到着です。
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到着した場所は閑静な住宅街、早めにホテルを出ましたので、まだ朝の気配を残した休日の街並はきれいで本当に静か。人気のない世田谷ベースの門まで歩いていって、ドアホンを押しますが「ピンポーン」の音だけが聞こえては美しい街並に消えてゆきます。
仕方ないなあ、どうしようか何度かドアホンを押しても反応がないので、あきらめて帰ろうと思ったその時!「ププッ!」ややっ!?車のクラクション、コレはもしや!?慌てて振り返りましたが何のドラマが待っていたワケではなく、ただ車が通りすぎて行っただけでした。
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虎竹の伐採は基本的に11月~1月頃の寒い季節に行いますが、竹林整備や見学などで冬以外に竹林に入ることも珍しくありません。温かい季節には藪蚊がとても多い竹林ですので、虫除け効果に優れた竹酢液の携帯は絶対なのです。 |
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虎竹の伐採は基本的に11月~1月頃の寒い季節に行いますが、竹林整備や見学などで冬以外に竹林に入ることも珍しくありません。温かい季節には藪蚊がとても多い竹林ですので、虫除け効果に優れた竹酢液の携帯は絶対なのです。 |
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あと一度だけと思いながらやってきた世田谷ベース。宅急便さんの営業所まで偶然にも見つけて本当にギリギリの所だったのですがラッキーでした。窓が空いて、ラジオか何かの音が聞こえています。良かった~誰かおられるようなのです。車のドアから飛び出して小走りでピンポーン鳴らします。
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けれど何度ピンポン鳴らしても、やっぱり反応がないのです。しかし、よく考えればそれもそのハズ、ここまで何やら音楽が聞こえてきて話し声のようなものも混ざっています。これはラジオでも聴きながら誰かが話している様子なのです。もしかしたら電話をかけているのかも知れないなあ…それならチャイムにも気づかないだろう…そう思い作戦を考えました。「音が小さくなった時にピンポン作戦」。そのままですが窓から聞こえてくる音が小さくなって時を見計らいチャイムを鳴らします。それを何度繰り返していると扉の向こうで声が聞こえるのです。
「門のとこに、誰かいるなあ!?」
世田谷ベースの門は結構高さがいるのです。怪しいものだと思われると開けてくれないでしょう、そこで門の上に見えるように手だけ出して振りながら
「おります!おります!怪しいものではないですきに、竹虎やきに!」
兎に角扉を開けてもらえたら、間違いなく所さんに空気清浄機を届ける事ができる。出てこられるのはスタッフの方だろうけど、これで安心して置いて帰る事ができる。キュルキュルキュル……と電動門が開くのを本当に安堵の気持ちで眺めていました。扉が開いたので目を上げると、あらら、なんと、そこには所さん!!
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「何やってんの!?」
「竹の空気清浄機を持ってきたが」
「とにかく中に車もいれろよ」
そこにはテレビでしか見た事のない世田谷ベース。色々な車やバイクがありました。後で好きな方に聞くとかなり凄いものらしいのですが、竹の事以外は実はあまり世の中の事を知らない自分が目につくのは渋い雑貨の中にボツボツと見える竹籠でした。
「よく来たね、それにしても作曲中だったから聞こえなかったよ…」
自分の方こそ、良くご本人様がおられたと正直しばらく夢のような気持ちです。ラジオの音と思っていたのは所さんの演奏だったようです、そして話し声のように聞こえていたのは所さんが唄っていた声でした。日曜日の午前中、曲を作りながら一人のんびりと過ごされていた大事な時間に突然お邪魔してしまって普通なら中に入れるくれる事もないだろうに本当に歓待してくれる所さんに感動です。何より凄いのは田舎者の自分のような人間が気兼ねなくお話させていただける自然な空気感を作り出されている事。長く一流として活躍されている方は何事も違うと感じいりました。
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しばらくしていて所さんが「ちょっと待ってろよ」 と言い、何とコーヒーを入れてくれたのです。日曜日の優しい陽射しの世田谷ベースで椅子に腰掛けるコーヒータイム、こんな贅沢な時間が今まであったろうか?この一杯のコーヒーは美味かったです、生涯忘れられない味になりました。もう十数年前になります、竹虎の事を全国発信したいと志をたてインターネット通販に取り組んだものの、やっぱりダメな男は何をやってもダメだと周りの皆に馬鹿にされ、相手にされない中で何とか目標額を達成した朝、父親が黙って入れてくれたコーヒーと同じ最高の一杯となりました。
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最初から気になっていた竹籠の話しになります。いくつかある中の籠を手にして「これ、竹虎で買って使ってるよ」。この市場かごはプロの料理人からご家庭の主婦の方まで広く愛用者のおられる耐久性の高いスズ竹で編まれたもの。これを通勤に使われているとは流石なのです。
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あと不思議な事がもうひとつあって、それが竹籠に入れられたアルファベットや数字なのです。自分達からしたら、これだけよい竹細工に何か書くということは考えられない事なのですが、やはりユニークな感性を持たれているのでしょうか。それにしても「97」と言う数字の意味は何でしょう?まさか97個目…いやいやこのスズ竹市場籠は一生モノ、そんなに使う事はできません。そこで訪ねてみたら、なんでも数字をアルファベットに当て字にされているそうなんです。
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「9=G」「7=T」つまり「G.T」でご自分のお名前を表しているという事でした。スズ竹市場籠という伝統の籠ですら、自分色にしてしまうのが所ジョージさんなのです。
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こうやって最高に幸せで楽しい日曜日となりました。世田谷ベースにいないハズだった所ジョージさんが偶然おられて、そこに、たまたま何の約束もせずに自分がお届けに行って、このような素晴らしい時間を過ごさせてもらえたのは幸運としか言いようがありません。中学校で幸運の神様の事を教わりました。神様は前髪はあるけれど、後ろはツルツルだそうです。前から来た神様をサッと掴まないと後ろから掴むことはできない、そう聞かされています。何かにチャレンジする時、あれこれ考える暇があれば、まず行動してみること。自分は田舎者で頭で考えても、たたが知れているので考える前に竹のように真っ直ぐに動く事を信条としていますが、だからこその世田谷ベースでのコーヒーの時間ではなかったかと思うのです。
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虎竹の里ではこの日を「世田谷ベースの奇蹟」と言って休日にしました。(嘘です)しかし、後から考えても自分が日頃思っている竹のDNAをつい考えて嬉しくなってくるのです。所ジョージさんはファッションもライフスタイルも現代の先端を感じられ、車やバイクはアメリカ製、今の日本人がそうであるように、多くの影響を海外から受けて昔ながらの生活からは遠く離れているように見えています。しかし、竹籠にふれるとその良さを自然と感じ、身近に思える感性があり、実際に毎日の生活に御愛用されておられました。日本人と竹は長い長いお付き合いの歴史があります、ここ数十年で少し竹を忘れているだけ、日本人のDNAには竹が深く刻み込まれてるいるとの思いを今度も改めて確信したのです。
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