虎竹のある暮らし
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インターンシップ 高知 2001春

竹虎インターンシップ2001夏



日程



初めての現場研修
二人の学生さんは、いよいよ竹虎本社での現場研修に入ります。まず、初日はこの道40年の内職さん笹岡時恵さん(90)宅にお邪魔しました。二人とも時恵さんの元気さ、若さに驚き、そして内職仕事の苦労と大変さを十二分に理解してくれたと思います。こうして一人一人が一つ一つのパーツを寄せ合い完成させるプロセスを体験した彼らは、今後竹虎の商品を見る目は全く違ってくるであろうし、何故、自分がそんなに熱くなるのか少しでも分かってくれるのではないか...。目を輝かせて仕事のやり方やコツを習っている学生さん達を見ながら確信しました。



竹虎インターンシップ2001夏 世界一の職人の手ほどき
古谷利明さん(73)は、竹の矯め直し(竹を矯正して曲がりを直す)のプロ中のプロ。日本では右に出る者がいないと言われます。だから、世界一の職人という事になるのかも知れません。あまりに手早く、簡単そうに仕上げていくので何処がどう難しいのか、なかなか分からないのは仕方が無いことですが、一見、まっすぐに見える竹が本当は曲がりくねっていて、丸くなくて、形も性質も全部違う事、1本として同じものがない事...それだけでも知っていて欲しいと思っています。

そして、若いあなた達が見た技に50年という歳月の重みがある事忘れないで下さい。


トラブル発生!?
内職さん宅を回って、虎竹の古里、焼坂への道を登る途中で事件は起こった!
焼坂の道をふさぐ虎竹と倒木
順調に進むかに見えたインターンシップ。しかし、なんと昨日からの台風の風で竹が倒れちゅう!しかも、木まで根本から折れて倒れています!(写真では小さな木に見えますが実際は割と太い木でした、生木で重いし)前にも進めず、後ろにも下がれず、さあ大変、どうしよう...!

時間だけが空しく過ぎていった。よりによって何故今日に限ってこんな事が...日頃の行いの悪さか!?
悩む四代目 どうする四代目
んんんっ~困った! あっそうや!ノコギリ持ってきてもらって竹伐り研修に変更したらエイっ!

竹虎インターンシップ2001夏 災い転じて福となす
竹は、その品質管理から冬場にしか伐りません。しかし、今回台風のお陰?もあり夏であるにも関わらず虎竹を実際に伐採するという素晴らしい体験が出来ました。本当に偶然ですが考えたらラッキーな事なのです。安和の里山の虎竹たちも、インターンシップの学生さんの来社を喜んでくれているのでしょうか?そう、思えてくるハプニングでした。
本当に大袈裟か!? 四代目
「大袈裟に書き立てている割に、写真で見ると大した事ないじゃないか...」

倒れた虎竹と倒木をご覧になられて同じ様な事をお考えの皆様は竹の事を知らなすぎる!直径8cmからの竹が根本から割れ折れているんですよ!竹は縦方向の繊維に沿っては割れやすい反面、横に切断するのは道具が無ければ非常に困難です。又、枝葉のついた竹は重く、 倒れていた一番細い竹でさえ動かす事すらままなりません。若い学生さんを連れた細い山道で突然のハプニングです。

しかし、 夏場の竹林は藪蚊がいっぱい!おるわ、おるわ...これぞ、ホントの出血大サービスでした。こんな時に竹虎の土窯作りの竹酢液があれば薄めてスプレーしておけば、虫除けに抜群の効果があるのに...天然素材なので体にも安全だし...とチャッカリ自社PRで締めくくります。

虎竹縁台に座り、貸衣装をまとって自社竹林でくつろぎながら四代目談)



竹虎インターンシップ2001夏 答えは現場にある
モノのあふれる時代です。しかし、回りをグルリと見渡して、その商品一つ一つの事を一体どれだけ知っているのだろうかと考えます。誰が、何時、何処で、どの様にしてどんな素材で、そしてどん使われ方をしているモノか。よく考えてみると意外と知らない事が多いのに気づきます。たとえば、竹に節があって、枝があってホウキの柄にするにはその枝を取り除く事。頭でわかっていても、実際工場に来て自分の身体で体験する、そこで初めて気づきます。モノ作りの原点だと思います。

答えは現場にあるのではないか?竹虎の現場研修は気づきの研修でもあると思うのです。



インターンシップを終えて
学生の僕にとっては、企業というもの自体が、未知の領域で、自分が、将来どんな職についても、幅の広い人間でいたいと思いインターンシップを受けてみようと思いました。美術を専攻しているので、できるだけ自分に近いことが学べるところはないかな ?と思っていたところ山岸竹材店さんの名前があり、ここに行ってみたい!!と思い、今回インターンシップの受け入れをお願いしました。 それは、竹材店というところから竹による工芸製品とそれを販売する企業との関連を実際に見てみたかったことや、虎斑竹という名前は聞いたことがあったのだけれど、詳しいことや、竹製品のことは まったく知らなかったこと、また、職人さんたちの手仕事による製品を作る作業や、それを販売するまでの流れを実際に見て理解したいと思ったからです。
竹虎インターンシップ2001夏を通して
竹虎さんでインターンシップをさせていただいてよかったことは、まず、竹製品の一つ 一つができるまでの過程を見させて頂くことにより、製品を見る目が変わったということです。例えば、虎斑竹による製品一つを作るにしても、山へ切り出しに行くところから始まり、選別し、芽を取り、あぶりだしをし、また、それを適度な大きさに切り、組んでゆく作業、そして、できた製品がお客様に届くまで、あるいは届いてからなど、本社での製造作業や販売接客などの実習を通して、竹虎の商品一つ一つに様々な社員さんの気持ちがこもっていることを痛感しました。

そして、現代における問題のひとつとして、大量生産によるごみの問題などがありますが、竹という自然からの素材を使うことにより、飽きたら捨てるということもなく、使っていくうちにどんどん味が出て、親子が代々使えるぐらいのものになる視点から見ると、すばらしい製品だと思いました。 僕が、竹虎ひろめ店で研修を受けていた時に会ったお客様は、『竹虎の竹皮ぞうり を母が使っているので私もほしくなった。』と言って竹皮ぞうりを買われてゆきました。僕は、その言葉を聞いて、竹虎の製品は、これからもいろいろな人に愛されてゆくのだろうなと思いました。普段、忘れがちな、物を大切に扱うこと、たくさんの人の気 持ちが商品に詰まっていることを竹虎での研修で学びました。それは、竹製品以外の ものを見る時やほかの場所でも同じように、ぼくにとって、今まで注意しなかったことや、見落としているものの一つ一つへの関心が深まったということでした。

また、下請けさんの家を訪問し、作業を見せてもらったことや、本社工場での製造作業を通して、あついなかで竹をあぶる姿や、同じ作業ではあるが、それを的確なスピードで黙々とこなしてゆく社員さんの姿を見て、ますます、竹がひとつの商品となるまでには、多くの方の努力や手間隙がかかっていることを感じ、その上に竹虎の会社は成り立っていることを感じた。これは、ほんの数日間しか体験していない僕が言えることではないかもしれません。

また、その社員さんを束ねる山岸義浩専務や山岸龍二常務もすばらしい方だと思いました。インターンシップの初日に、専務からは、経営指針や接客方針など、自らへ課した厳しさや、中小企業家同友会の時や何処の場所でもその積極性、また、笑顔のうしろにかくれている信念を感じ、常務は、本社での研修の時にしっかり製造に従事する社員さんを束ねていると感じました。竹虎の会社としての社員さんから専務や常務に至るまでの一体感を見ることができ非常に良かったです。 また、今回の研修では中小企業家同友会や、ひろめカンパニーなどで多くの方々とお話ができたこと、また、研修や講座では、自分にとっての働くことの意味や、ビジネスにおけるマナー、環境と企業、労使問題など、普段経験することや考えることがない貴重な体験をさせていただきありがたかったです。
多くの方々の考えを聞くことができ、自分の意見を発表する機会を得たことは、これからの自分にとっては必ずプラスになります。 大学で学ぶことだけでは、絶対に体験することができないことや、いろいろな人との出会い、またその中での話しなど、本当に短かったですが、貴重な体験をたくさんさせて頂き、自分の考えを見つめる良い機会となりました。山岸竹材店の皆様、本当にありがとうございました。

竹虎レポート
竹製品の作られ方。お店に行けばたくさんの虎斑竹製品がならんでいます。自然のものを製品とするために
多くの人手がかかっている事を知りました。 山に入って竹を取ります。ほんの数人で伐採をすることにびっくり
しました。 竹の枝をはらいます。大事な虎斑に傷が付かないよう、ひと節ずつ手作業です。少しやってみたの
ですが、手や腕が疲れて「ああこれは大変な肉体労働だな」と実感しました。


竹をまっすぐに矯正します。竹って意外なくらい曲がっています。それを火であぶり、油ぬきをしつつため木でぐいぐいと曲がりを直してゆきます。たまには割れることもあります。太い竹だとすごい音がします。職人のおばさん、おじさんは平然とその暑い作業をこなします。 竹を割ります。用途によって様々な割り方があります。これも肉体労働です。慣れの問題かも知れないけれど、毎日、一日中ずっとです。 実際すごいことだなとおもいました。 かご作り、腰掛け編みをやらせてもらいました。楽しいは楽しいけれど指がまめだらけになりました。思っていたより単純作業で、作業手順も難解でした。職人の道は厳しい!

竹虎インターンシップ研修、前半は経営指針、マナー、労使問題を学びました。歴史と伝統がありながら、現在にも未来にも目を向けていてまじめで真摯な会社だと感じました。
感想
学生身分のまま、バイトでもなく見学でもなく会社に入りこめて楽しかったし、しんどかったし、自分の見る目も変わりました。時間厳守は当たり前、だとか朝から働く、のだとか、大学生って自由だな、なんて思いました。
事後評価報告書
全国唯一の虎斑竹の生産地である安和の里山での切り出し作業から選別、工場での加工製造、そして店頭での販売までの一貫した流れを通して虎斑竹に対する認知度を高めると共に他では見られない竹林での仕事、職人の仕事について考えてもらいたい。学生を受け入れる準備のプロセスも含めて社内への経営理念の浸透、意志疎通の改善の契機としたい。 変化の少ない職人の職場に別世界ともいえる学生の受け入れは、社員にとっても新鮮で仕事の意義や日常業務の見直しに活用できると期待する。
受け入れに当たり工夫した点・苦労した点
インターンシップ、2回目という事で、もう少しスムーズに学生を迎え入れる体制づくりと、カリキュラム作りが出来るかと思っていたが、当社の業務自体が春先と夏場では全く違っていて、結局前回同様に時間がかかった。
学生の研修への取り組み及び学生に対する企業側の評価
会社経営者はじめ50名ほどの前で、ある発表をさせる機会がありましたが、ハキハキとした物言いで自分の考えを率直に答える態度に驚きました。単調な職人仕事の現場研修でも、慣れないながらも積極的に学ぼうという姿勢が有り、前回同様、社員も感心していました。
大学等に対する要望等
他社のインターンシップの生徒さんを拝見しても、非常に目的意識のハッキリした、優秀な生徒さんが多いと思います。今後は、何処まで参加学生の裾野を広げられるかという事も課題では無いでしょうか。
今回のインターンシップ事業の評価
ビジネスマナー、新人社員研修を、日程の最初に組めた事で、それなりの成果があったと思います。物作りの実際の現場を感じたいという学生さんたちには有意義な10日間だったと考えてます。  
今後の改善点
本社工場での現場研修には高知市内からだと移動に1時間少しかかってしまいます。今後は、それぞれの学生さんの事情にあわせた時間配分、日程的な調整をしていきたい。
ありがとうございました!!
見てはいけない!虎竹の里コンテンツ,竹虎四代目(山岸義浩),作務衣,さむえ,SAMUE
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