七島藺縄編み円座
七島藺(しちとうい)を使って製作された七島藺縄編み円座 です。「わろうだ」とも呼ばれ奈良時代からの歴史ある円座は、い草をはじめ藁や蒲、菅などでも作られてきましたが、七島藺製は国産円座の最高峰のように思います。
縄編み
細い七島藺を縄にない、ぐるぐると渦巻状にしていく伝統の技で製作された七島藺縄編み円座です。夏は涼しく冬は暖かいという特徴がありフローリングでのご使用に最適です。
希少な七島藺
七島藺(しちとうい)と聞くとご存じない方も多いですが、元々は琉球畳とはこの七島藺を畳床に縫い付けたものを言っていました。い草に比べて曲疲労強度、摩耗強度が5~6倍もあり、2倍以上の耐焦性があることから東京オリンピックまでは柔道畳として各地で使われていました。また、囲炉裏のある東北や北陸の農家でも広く愛用されてきた素材です。
七島藺も、い草と同じように大変な労力をかけて生産されています。畳表の材料として使われる植物ですが、い草のようにイグサ科ではなく、江戸時代以前より琉球や薩摩で栽培されていたカヤツリグサ科の植物です。大分県の国東(くにさき)半島で350年という歴史を持ち、昭和の中頃までは全国に出荷され庶民の暮らしを支えてきました。しかし七島藺の一本一本の断面が三角形となっているため、い草のように栽培や製織の機械化することができず手間がかかり、現在では10軒足らずの農家さんが栽培するだけになっています。
い草農家の思い出
七島藺を使う工房にお伺いすると、その香に幼い頃のい草の工房の記憶が強烈に蘇ってきました。母の実家はい草栽培をしていて、夏のうだるような暑さの中、刈り入れして乾燥される山のようない草、工場に入るとむせ返るほどの香り、泥の乾いた色、数台の機械から絶え間なく聞こえてくる大きな音…これが畳になるのか?不思議に思い眺めていました。
縁部分と飾り紐
縄に編みながら渦巻状に仕上げられていきます、縁かがりも丁寧に作られています。飾り紐が取り付けられています、こちらが円座としてご使用される場合に後ろ側となります。
縫い付け
縄状に編まれた七島藺は何カ所も糸でしっかりと留めて渦巻状の形になっていきます。
しなやかさと丈夫さ
手にして曲げてみるとこのようなしなやかのある七島藺です、しっかり縫い付ける事によってしっかりとした座り心地の中にも優しさを感じる円座になります。
サイズ
天然素材を手作りしておりますので、形や色目、大きさが写真と若干違う場合があります。
※暑く湿気の多い時期にはカビにご注意ください。カビが発生した場合には掃除機で吸い取るか、雑巾で乾拭きして風通しの良いところで陰干ししてください。