「黒」虎竹の漆箸
虎竹は日本唯一の虎模様が入った不思議な竹ですが、実は、すべての竹に模様が同じように入っているわけではないのです。虎模様が入る竹もあれば、虎模様が入り過ぎて黒虎模様になっている竹もあります。また、反対に虎模様が入らず白っぽい竹もあるのです。これらの色付きの違いを1本1本職人により色別、サイズ別に選り分けられ加工されていきます。お箸のように細く、竹の表面積が狭いものは竹の柄が偏りがちになり、全体が黒っぽい黒虎竹箸に出来るのです。
深まる愛着
素材の虎竹独特の模様や色合いは自然のデザイン。同じ柄のものはふたつとありません。その存在感は一度使うと他のお箸では満足できなくなるほど。
マイ箸にピッタリ
はじめて持たれた時には軽くて手によくなじむのに驚きます。小骨の多いお魚が、とても食べやすいと大評判です。先細でも竹特有のしなりがありとても丈夫です。
高知の静かな山間にある、時計もテレビもない知る人ぞ知るオーベルジュ。この奥座敷の目玉は美味しい料理のおもてなしですが、この竹箸はこちらのレストランでも好評です。一度お使いになられたお客様が使い心地を忘れられず後から電話でお問い合わせを頂くほどなんです。
一膳、一膳が職人の手作り
虎竹を縦に割って箸の材料に切ったばかりは、角が角ばっています。その箸を職人の熟練の手仕事で丁寧に1本、1本感触を確かめなぎら削りだしていきます。手間暇はかかりますが、持った時にしっくり手になじむ独特の丸みと優しさをもった黒虎竹削り漆箸に仕上がるのです。
使いやすいフォルムと漆仕上げ
竹はとっても硬い素材ですから、細くても丈夫でしかもしなやか。竹箸ならではの使い心地と、細いのにしっくりくる感じがリピートされる人気の秘密のようです。また、手塗りならではの丁寧で美しいうるし仕上げが見事で、角ばったフォルムも面取りされて驚くほど手になじみ使いやすくなっています。
虎模様と黒虎模様
虎竹箸と黒虎竹箸の黒を横へ並べると、色付きの違いがハッキリと分かります。渋い黒さは自然そのままの色合い、同じ模様は二つと無く、一膳一膳違った風合いに仕上がっています。虎模様が付きすぎて黒っぽく見える黒虎竹で製造されたものは、全体が黒っぽいお箸になりますが、これも、なかなか渋く風合いがよいので黒虎竹削り漆箸として特別に選りだしています。
黒の極上の風合い
虎模様の濃い、虎竹の「黒」で仕上げた極上の風合い。食事の席をさり気なく引き立てるシックな黒は、一本一本微妙に異なります。まさに自然の意匠なのです。
日本で唯一 土佐の虎斑竹(とらふだけ)
「虎斑竹(虎竹)」は淡竹(ハチク)の仲間に分類され、高知県須崎市安和の虎竹の里でのみ、稈の表面に虎模様が浮かぶ不思議な竹です。この模様は、幹に付着した寄生菌や潮風の作用によるとの学説もありますが、科学的には未だ解明されていません。実際に各地方に移植を試みましたが、何故か模様が付く事はありませんでした。
明治44年、当時日本最高の植物学者達が絶滅寸前の虎斑竹の保護のために、建白書を時の政府に提出しました。これが今日の天然記念物条例発布の導火線となり、天然記念物保存法が発令され虎斑竹はその第一号の指定を受けたのです。
イギリスBBC放送も取材に来た「ミラクルバンブー」
左の写真が、自然に生えている状態の虎竹です。この虎竹をガスバーナーで炙り、竹自身から出る油分で拭き上げると右の写真のように虎模様がはっきりと浮かび上がります。この珍しい虎竹(Tiger Bamboo)を取材するためにイギリスBBC放送までもが虎竹の里を訪れ神秘的な虎竹に「ミラクル!」を連発されていました。
竹職人達の想いが繋ぐ虎斑竹
竹は秋から1月下旬までが伐採のシーズンです。虎竹もこの期間に一年分をまとめて伐ります。竹職人達は急勾配の山道を運搬機と共に分け入り、一日中重たく長い竹を切り運び出すのです。そして、大きさや品質で選別したのち、ガスバーナーによる油抜き、矯め直しという製竹作業を行います。一本一本の個性を最大限に生かすために、熟練した職人の手で竹を炙り、まっすぐに矯正されるのです。こうして製竹された虎竹が、様々な竹製品へと生まれ変わります。
心豊かな食卓
日本人の食生活になくてはならないお箸。 お弁当箱と一緒にマイ箸を持っていく方は多いと思いますが、飲食店などでの食事の時も割り箸の代わりに虎竹箸をお使いになられませんか。 日本人が1年間に使う割り箸は約240億膳。1人あたりですと約200膳にもなるそうですが、マイ箸として携帯すると割り箸の節約にもなります。 しかし、何より手に持つ感触、目で愛でる色合い、やさしい口あたり、心豊かな美味しい食卓のはじまりです。
サイズ
天然素材を手作りしておりますので、形や色目、大きさが写真と若干違う場合があります。
※お手入れ方法
お手入れはサッと手早く水洗いして完全に水分をふき取ったあと直射日光をさけて風通しのよい場所で十二分に乾燥させてください。浸け置き洗いや食器洗い機などのご使用は絶対にお避けくださいませ。
※保管方法
保管の際には直射日光を避け、風通しの良い場所でお願いいたします。ビニール袋など通気性の悪いものにいれての保管はカビの原因となりますのでご注意ください。