先週は竹の伐採についてお話させていただき、今日はその続きですぞね。まずは竹の選別場のお話です。山で狩り出された竹はいったん選別場に並べられて、選別で色つきや太さ、品質で選別されるがです。その選別の現場をヒロタリアンさんにも見ていただき、竹虎工場長が説明をしていました。
「ここの竹は全部、自分が見ちょりますき」
ずらりと並ぶ竹を示して一言。さらに、「竹を見たらどの山のかも分かる」とも!!2列に並ぶ竹は色の付き具合で分けちゅうとのことでしたが、じっくり見ても寅子には難しかったがです。
ところで、こちらでは竹虎工場長が軽々と竹を運んでおります。寅子も試しに同じ太さ、本数の竹を運んでみましたぞね~~。見た目にも細い竹やき簡単簡単、と油断しちょりました。いざ竹を持ち上げようとすれば、ずっしりとした重みが!!苦労してよろよろ歩きでなんとか運びましたぞね。職人さんたちがよく長い竹を持ち歩く姿を見ますが、実は相当の力仕事ながです!!
さて、職人さんの仕事ではこの重い竹を運ぶ場面が何度もあります。選別が終われば、竹の付け根を取り除く「目打ち」、竹の汚れや艶出しをする「油抜き」、竹の歪みや曲がりを矯正する「矯め直し」が必要です。これも長いままの竹で作業したりするがです。ヒロタリアンさんも竹職人さんたちと一緒に体験されましたぞね。
竹虎では油抜きにはガスバーナーを使います。竹を火であぶると竹の油や水分が吹きだしてくるので、それをウエスという布巾で拭うまでが油抜き。そして、油抜きの熱で柔らかくなっている竹を矯め木にはめながら、真っ直ぐにするのが矯め直しの作業ながです。ヒロタリアンさんによると、特に矯め直しの作業が難しく、苦戦されたそうぞね。力のかかる方向が違えば真っ直ぐにならず、力を入れすぎると竹が割れてしまうがです。非常に繊細な作業みたいぞね。
それにしても、固い竹がぐいっと曲がるから不思議ちや。油抜き中には、竹の甘く香ばしい匂いが漂います。これは、竹には糖分がたくさん含まれているかららしいぞね。油抜きに使って真っ黒になったウエスの乾いたものを、工場長が見せて教えてくれました。竹の油分を吸い取っているのでカチカチになっちょりまして、なるほどと思いましたちや。
いっつも近くにあって、なんにも珍しくないと思いがちの竹です。けれど、寅子も本当は竹について全然知らんことばっかりでしたき(^_^;)ヒロタリアンさんと竹職人たちの仕事の現場を見てまわり、まだまだ勉強せんとイカンと考えたのでした。