濃紺の作務衣がトレードマークの竹虎スタッフ、寅子(とらこ)です。まだ竹について勉強中ですが、好奇心旺盛な寅子ならではの竹製品や虎竹の里をお届けします。

「甘いっ!美味しい♪」忘れられない虎竹のお茶

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「甘いっ!美味しい♪」忘れられない虎竹のお茶


竹リニューアルした虎竹茶は、以前よりバージョンアップしました!!原料は100%竹葉で前回と同じですが焙煎加工仕上げにより、やや渋みが残っていたそうです。もっと美味しい虎竹茶を作る!ために何度も!試作を重ねた結果、「蒸らし」の工程と竹葉にこだわって作ることになりました♪蒸らし加工を施しますと、虎竹茶の甘み、うま味がよりいっそう引き出されます。次に原料の竹葉は手摘みしたばかりの竹葉だけ使いますが、竹葉を摘み取るとすぐに乾燥してしまいます。新鮮な竹葉のまま工場へ運ぶ必要があるので、茶葉の品質は大切!!なのです。竹葉の収穫時期は、虎竹の山出しと同じく一年に一度。職人さんが一生懸命!原料の竹葉を摘んでいたのですが手が足りなくなり、急遽、竹虎スタッフ数人で原料の竹葉を摘む作業しにいきました!


生しい竹葉


現地へ行くと、11月の虎竹の里はだいぶ寒くなっていました。竹葉摘み作業に入る時、最初にケガをしないように軍手をはめます。竹の枝に生えている竹葉を手で取って大きいダンボールへ入れていく作業ですが、竹枝一本一本に相当力を込めて引っ張らないと全く竹葉は取れません!!強く引っ張るので、軍手は2枚はめてないと手が痛くなります。


「難しいなあ...」


と最初はつぶやいていましたが、作業が慣れてきて竹葉がダンボールいっぱいになってくると、


「できた!新しい竹の枝持ってくるね♪」


と皆、喜びの声をあげながら作業をしていました。作業中、いつも香っていたのが新鮮な竹葉の香りでした。人工的に作れたのものとは違う、青臭くて少し甘い香り♪私は好きな香りです。最初は楽しく♪夢中で竹葉を摘んでいた私でしたが、摘んでも摘んでも終わらない作業に少しため息が出そうになりました。25メートルのプールくらいある敷地で作業しており、減ったのかな?と思うと次々と新しい竹枝を職人さんが補充してくださったの
です...。


熱そうな竹虎スタッフ


朝夕はとっても寒く、ダウンコートも着用してホッカイロを持っていましたが身体の節々が冷たくなります。反対に、長時間作業していた日中では太陽がジリジリと上から照りつけてきて、コートを脱いだりして涼しい格好で作業しました。


「暑い。何月だっけ?」


とつぶやくくらいまるで初夏なみ!の日差しで、日焼け止めを塗ることやフードをかぶったり、タオルを頭に巻いて日から身を常に守っていました。動きまわらずにじっと竹葉を座って摘んでいくだけでも、額から汗がぽたぽた...と落ちてきて、時々日陰で作業することもしばしば。日陰での作業は急に寒くなるので、温度差が激しいなと思いました。作業をしているとだんだんと喉が渇いてきて一日に500mlペットボトルの飲料水を2本は必ず飲んでしまう!!状態でした。


「熱中症に気をつけてね~」


と本社の方々がたまに飲み物を持ってきてくれたことは、本当にありがたかったです!一日の作業を終えると、全身に汗くささを感じ着替えたいなあと思う日もありました。日によって11月の冷たい風がビュービュー!と吹き、せっかく摘み取った竹葉がサラサラ...と飛んで行くのも気をつけました。毎日同じ姿勢で作業を行っていますと、次の日には腰や腕が筋肉痛で痛くるのです。だんだんと思っていなかった状況を目の前にして、竹葉摘み作業は思ったより大変な作業なんだ...と皆思い始めました。


摘み取った竹葉


雨の影響もあり一日では作業が終わりません。何日か経過した頃に様子を見ていた竹虎工場長に


「どうすると作業が早く終わるか?何のためにやっているか?」


と言われその言葉に...ハッ!と気づかされました。すっかり、自分の作業ばかりに気を取られて原料である竹葉を生しい状態で収穫しないと美味しい虎竹茶はできない!ことを思い出したのです。私達が早く作業を終わらせることは、竹葉を早く工場に届けられますし、虎竹茶が早くできて最終的にお客様に早く飲んでもらえる!ことに繋がっています。作業をただ頑張るだけではダメなんだ!と反省。その後作業中、どんな美味しいお茶ができるのだろうか?そのために早く終わらせるには?と前向きに取り組みました。何度か竹虎工場長や本店の方が手伝いに来て下さったこともあり、作業が無事に終わったのです。竹虎工場長に、先の事を考えて動いていくという姿勢を教えていただきました。


みんなで飲んでいる虎竹茶


虎竹茶が完成した時の、最初の一口は絶対に忘れられません。皆で飲んだのですが、全員思わず笑みがこぼれました。


「香りがいい♪」


と私。緑茶に似た黄色いお茶で、ハーブティーのようなすっきりとした爽やかな味わい。皆でホットやアイス両方を飲んだのですが、どちらにも良さがあってびっくり♪アイスだとさっぱりして飲みやすいですし、ホットだとふわっとした竹葉の甘い香りがいっそう漂います。


「甘いっ!美味しい♪」


「会話もこじゃんと弾みそう!」


と皆で口々にわいわいと会話を重ねていました。


緑茶に似た黄色いお茶で、ハーブティーのようなすっきりとした爽やかな味わい。ただただ美味しいだけではなく、自分達で作業したあの苦労があるからこそ!!の味わえるのだと思います。味わう度に本当に頑張って良かったなあ...と思いました。


竹虎工場長のアドバイスが無かったら、美味しいお茶との出会いが遅くなっていたかもしれません。紅茶や中国茶は置いたままで、しばらくは自分達で頑張って作った虎竹茶を飲んでいます♪