濃紺の作務衣がトレードマークの竹虎スタッフ、寅子(とらこ)です。まだ竹について勉強中ですが、好奇心旺盛な寅子ならではの竹製品や虎竹の里をお届けします。

竹炭はさしずめ「黒ヒョウ」?

竹炭


「うわっ、すごい!セミの鳴き声がする」「やだぁ~余計に暑くなる」


梅雨も明け、夏真っ盛りとなったある日、スタッフ同士で配送作業をしながら、思わず口に出たやり取りです。これから夏の間中、ミンミンゼミだのニイニイゼミだの、後半戦にはひぐらしなんかも登場して来て、虎竹の里のBGMはセミの声のオンパレードです。


この季節は、下駄やうちわ、風鈴などの、日本古来の納涼グッズや、韓流ドラマなどでも見かける白竹抱き枕なども、涼を求めるお客様に好評なのですが、並んで人気なのが真っ黒な竹炭です。


「えっ、竹炭?」「やだぁ~見るからに暑苦しそう!」


なんて思った方、ちょっと待って下さい。


例えば飾り竹炭は、インテリア用として、竹の形そのままに焼いてあるのですが、植物(グリーン)と併せるとお互いに引き立て合ってすごく素敵ですよ。黒色はどんな色の植物とも相性ばっちりです。いまの季節なら、百合やひまわり、グロリオサなどと併せても、豪華だし、アイビーや朝顔のようなツル植物の鉢植えを並べて置き、竹炭に絡めてみるのも面白いです。季節がずれるのですが、私のお気に入りのチョイスは青麦やススキとのペアです。


アウトレットの割れたり短かったりした竹炭は、かごに盛り、そばにゴーヤやかぼちゃ、パプリカなどのお野菜をごろんと置いてみるのはいかがでしょう。ストック野菜も「あっ」と言う間にインテリアの一部に早変わり。もちろん、飾り竹炭だけをシンプルに飾るのも格好良いと思います。


虎斑竹の事を職人さんが愛着を込め、略して「虎」と呼んでいるのに対し、竹炭はさしずめ「黒ヒョウ」とでも呼んでみましょうか(笑)虎斑竹と一緒に、黒ヒョウ君も是非お見知りおきを。

ミリオンバンブーの秘密

皆様はミリオンバンブーをご存知でしょうか? ミラクルバンブーと言えば我らが虎斑竹ですが、ミリオンバンブーは観葉植物の一種。お家で手軽に育てられ、竹と名がつくだけあって一年中青々してくて縁起も良いことから贈り物にも喜ばれるそうです。


日頃パソコンにかじりついている私は、目薬が手放せないドライアイ...そのため目に優しい緑を机に飾ろうと花屋さんに出かけ、偶然出会ったのがミリオンバンブーでした。鉢のプレートには


「ミリオンバンブー(富貴竹・万年竹)。生命力が強く幸運の竹と呼ばれています。寒さには弱いので温度は10度以上を保ってあげて下さい。」


との表記が。竹は南方系の植物だと聞いた事がありますが、やっぱり竹は寒いのは苦手なんだなぁ~、と親近感を覚えながらしげしげと眺めていると、奥から店員さんがやってきます。水やりや肥料の与え方など色んな話をきいていると、店員さんの口から意外な一言が!


「竹そっくりですが、実のところミリオンバンブーは本当の竹じゃないんですよ(^^)」


...え、竹じゃない?だって名前にも説明にも竹って書いてあるのに??ぽかーんと呆気にとられつつも、慌ててネットでミリオンバンブーを検索。なんとミリオンバンブーはドラセナ・サンデリアーナという竹とはまったく無縁の植物だそうです。節があり姿形が似てること、縁起の良さをあやかろうとしたことで今の名前がついたんだそう。ミリオンバンブーのことをずっと竹だと信じきっていただけに、竹虎スタッフの私としてはちょっぴり恥ずかしい勘違いでした。実はつい先日も真竹(まだけ)と孟宗竹(もうそうだけ)の見分けがつかなくて、竹虎四代目に教えて頂いたばかり...。


「ミリオンバンブーは竹ではないこと。」
「竹の節部分が2重になっているのが真竹で、1重なのは孟宗竹。」
「筍から成長した後、皮が自然に剥がれ落ちるものが竹で、反対にいつもまでも皮が残ってるのが笹。」


などなど身近なようで、奥がとても深い竹の世界。竹虎で働きだしてからは、そんな竹の世界に毎日驚かされっぱなしなのです。

竹皮草履の寿命

竹皮草履


「あっ、鼻緒が切れちゅう!」


ついに私が履いている竹皮草履の鼻緒が切れてしまいました・・・!この竹皮草履は私が竹虎で働きはじめて1年目の春の終わりごろ、竹虎四代目からいただいたものです。ちょうど一緒に働いていた先輩の竹皮草履も寿命だったので


「二人で分けて履きや~」


と現在はもう売り切れてしまっている和柄竹皮草履の茜色と菫色の2つを渡され、先輩は菫色、私は茜色。それから竹皮草履を履きだし、早5年目。


夏にスリッパを履くことは考えられなくなりました。暑い季節になってくると、会社に来たら即効で靴下を脱いで竹皮草履へ。去年の秋からは5本指ソックスを履いて寒い時期も履くようになって、靴を脱ぐお店に行ってちょっと恥ずかしい思いをしたりもしました。いただいた草履がすごくしっかりした作りだったのか、私が単に仕事中に動いていないだけなのか、とにかくすごーく長生きしてくれました。


と、なんだか感慨深げになりましたが、実は草履の鼻緒が切れたのはほんの一部だけ。なんとかまだ履ける状態なのでかまわず履いています。しかも竹皮の草履の部分は全然きれいで、まだまだ履けそうなんです。


でも以前、工場長に草履の修理について聞いたのですが、鼻緒がちぎれてしまったときは修理は難しいそうです。なのでより大事に大事に、出来る限り履いていきます。なにしろずーっと私と一緒に働いてきてくれた草履です。でもこれで6年目までもったらちょっと笑ってしまうかも(笑)

玄関に並ぶ竹皮スリッパ

竹皮スリッパ


「お母さん、スリッパ履いてかまん?(履いていい)?」


と、買い物に出掛ける時に玄関から大きな声が毎回のようにします。それは、我が家では衣替えの時期を境目に、ある物が玄関に顔を出します。それは、竹皮スリッパ。小さい頃からビーチサンダルを良く履いていたので


「ひょっとしたら。履くかな?」


という甘い考えで試しに買って帰ったのがきっかけでしたが、それからは毎日のように履いている竹皮スリッパ。もう、2年くらい履いています。最初は竹皮の足触りに違和感があったようですが、履き慣れてくるにつれて気持ち良くなり、まわりの人からも


「いい履き物、はいちゅうね(履いているね)。」


と、声を掛けられるの事にかなりご満悦の様子です。そろそろ、サイズも小さくなってきたから、新しいサイズに新調しよう。と話しているのでが、やっぱり、1足目のスリッパには子供ながら愛着があるようで、そう簡単には、手放せないようです。


1度、買ってすぐにスポンジが剥がれてしまい、修理してもらった竹皮スリッパなので余計に愛着があるのかもしれません。きっとこの夏も買い物やお祭りの時に履いて出掛けるのではないかと思います。