「あのザルに入っている黒いのは何ですか?」
我が家の客間には、竹ざるに「あるもの」を山盛りにして飾っています。竹虎で働く私にとってやっと身近な存在になったソレですが、お客様にはやはり少し珍しいらしく、いつもその正体を不思議そうに尋ねられます。
竹のざる一杯に盛られたソレの正体は、お達者クラブの竹炭。
四万十町のお年寄りが焼いてくれた竹炭を置くまでは、我が家の客間はとてもシンプルな空間でした。デザインソファもカラフルなカーテンもない畳の和室、小さな床の間に大きな掛け軸をどーんとひとつ飾っているだけ。文字通り掛け軸なので特に額縁に入れたりはせず、無防備に床の間に下げている状態だったのです。
しかしよくよく考えると、ひょっとしたらこの掛け軸、湿気とかで年々傷みゆうがやないろうか...?
なんて嫌な考えが頭をぐるぐる巡りだしました。水墨画らしきものが描かれている掛け軸の薄い紙。半紙のような...和紙のような...ん?和紙??
「和紙は湿度の高いところや乾燥している場所に保管しては駄目ですよ!」
瞬間、学生時代に博物館実習で聞いた言葉が蘇ります。いかん、これは良くないちや!と慌てて飾るようにしたのが、お達者クラブの竹炭です。
空気や湿気をすっきりさせてくれることで有名な竹炭。つまり湿度に弱いものの傍に置いておけば何とかしてくれるんじゃないだろうか!と考えた私は期待の分だけ竹炭をてんこ盛りに。そしてその結果が冒頭に至る、なのです。量で言うと水切りざる(中)からちょっとこぼれそうな程でしょうか。なんとも素朴なインテリアでひっそりとお気に入りです。いつの間にかお客様の目線も掛け軸ではなく、竹炭に奪われることになってしまいましたが...笑
でも竹炭と聞いたお客様から「通りでこの部屋にはいったとき、気持ちよかったがやねぇ!」とたくさん褒めて頂け、実はまんざらでもない私。
もう主役は竹炭でも良いかもしれんちや~・・・なんて(〃'∇'〃)