竹の伐り出し作業を「山出し」といいます。熟練の山の職人さんが険しい山道をのぼって、足場のよくない竹林で一本、一本虎竹を伐りだしています。そんな他では見ることのできない虎竹の里の山出し作業の様子について詳しくご紹介します。
虎斑竹(とらふだけ)は、表面に虎皮状の模様が入っていることからこう呼ばれており、全国でも高知県須崎市安和の虎竹の里でしか成育していない神秘的な竹です。イギリスBBC放送が取材に来られた時には「ミラクル!」を連発されていました。安和の山裾から頂上までは虎竹があるのですが峠を越えると嘘のように竹がなくなり本当に不思議な光景です。
のどかな虎竹の里、工場から焼坂の山々を眺めると山肌にうぐいす色をした竹林が、あちらこちらに広がっています。その竹林は全て虎竹の林です。舗装もしていない細い焼坂の山道を登ると、道の両脇では虎竹がお出迎え。こんな道ですがシーズンには、2トントラックが行きかう竹の道でもあるのです。
竹を伐るシーズンは、冬の寒さの厳しい11月~1月の間。虎竹の里の山道を歩くとあっちでコンコン、こっちでカンカン...。竹をナタで伐り倒す音が響きます。良質な親竹を残し、間引きもしながら1本1本目で確認して色づきのよい虎竹を伐りだす山の仕事は、ずっと受け継がれてきた虎竹の里の伝統の技です。
遠くの竹林から竹を出すのに威力を発揮するのが、キャタピラー付きに改良した虎竹の里独特の運搬機。昔は「キンマ」と呼ばれる木製のソリで竹を運んでいました。この「キンマ」を作る職人さんも昔は近くにいましたが、今では重たいソリは使わず、改良に改良を重ねて今の運搬機の形になりました。細く険しい山道を分け入り、重い竹を担いで運びます。ずいぶんと軽減されたとは言え、山の職人さんの仕事はかなり大変です。足場のよくない竹林の斜面を、若い学生さんが3人がかりでも持てなかった竹の束をゆうゆうと肩に担ぐ職人さんはさすがです。
一方、枝打ちされた竹は、山の斜面に沿って下の道路まで滑り落とされます。竹の伐採シーズン中、虎竹の里ではこんな大迫力の光景が毎日見られます。枝打ちされた小枝は、後で集められ竹虎の工場で袖垣の材料等に使われています。竹皮から小枝まで捨てる所がなく有効利用されている竹は、成長が早くてっぺんから根元まで全部加工できるエコ素材です。
竹をトラックに積み込んでロープでしっかり固定するのにもコツがあります。片方のロープは通称「えらいて」(※えらいて=偉い人、有力者という意味の土佐弁)という滑車の原理を利用した縛り方をして、一方をターンバックという専用の機械で締め付けていきます。竹を積み込んだら、細い曲がりくねった山道を通って、山のふもとの選別場まで運びます。
しめくくりは選別作業。虎竹は表面の模様の付具合によって大きく価値が異なります。山から出された虎竹は、太さ別、品質別、用途別に1本づつ選別され結わえなおされて、それぞれの保管場所に運ばれます。
選別の済んだ虎竹は、結わえなおされ土場に山のように積み込まれます。竹は品質維持の為、旬の良い時にしか伐採しないのでこの時期に1年分の材料が山から運び出されるのです。土場に小山のように積まれた虎竹は、必要なときに必要な分だけトラックで運ばれ、工場で加工されて様々な竹製品、竹細工となりお客様のお手元へ届けられるのです。
<虎斑竹専門店 竹虎>
虎竹の山出し
※高知家健康経営アワード2021
※令和2年度ふるさとづくり大賞総務大臣賞
※第7回環境省グッドライフアワード環境地域ブランディング賞
※RED BULL BOX CART RACE TOKYO 2019準優勝
※第33回 高知県地場産業大賞高知県地場産業奨励賞
■本プレスリリースに関するお問い合わせ先
竹虎 (株)山岸竹材店 竹虎四代目(山岸 義浩:やまぎし よしひろ)
E-Mail:info@taketora.co.jp
<本社>竹虎(株)山岸竹材店
〒785-0024 高知県須崎市安和913-1
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