虎斑竹細工(高知)
竹の香り漂う店内に所狭しと並んだ約5,000点の竹細工。その中でも独特の模様が印象的な虎斑竹細工は、ここでしか見ることができません。虎斑竹は、淡竹の仲間で、表面に虎皮状の模様が入っていることからこう呼ばれています。この模様は、幹に付着した寄生菌の作用によるとの説もありますが、はっきりとした原因は分かっておらず、全国でも須崎市安和にしか生育しない不思議な竹です。
「竹虎(株)山岸竹材店」は明治27年(1894)に創業、竹林の手入れから製造、販売まで行っている全国で唯一の虎斑竹専門店です。人気は草履やサンダル、そして本物そっくりに作られた虫。他にも竹垣やかごなど、商品のすべてが職人さんよる手作業です。「長く使ってもらえるように、第一に買う人の身になって作るよ」と話す山口さんは、慣れた手つきで竹垣を組んで行きます。
店内に入ると、竹のことなら何でも知る販売員さんが笑顔でお出迎え。現在、インターネットでも虎斑竹の紹介と販売を行い、注文に応じて可能な限りオリジナル製品も作っています。
(雑誌「電気と保安 2006 初冬 No.202」より転載)