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虎竹うるし箸
稀少な竹の箸はしなやかで使いやすい
虎竹とは虎斑竹(とらふだけ)のことを指すが、高知県須崎市の安和地区と岡山県真庭市一帯にしか生育しない竹で、表面に虎の皮のような独特の斑模様がある。この竹は別の地域に移植をしても模様が出ないため、稀少な竹として知られている。切った竹を炎で炙り、竹からとれる特殊な油で拭き上げると、模様がじんわりと浮かび上がってくる。それを細く削ってうるしをかけ、箸に仕上げるのだ。使い心地は軽くてしなやか、手にしっくりとなじむ。
(雑誌「dancyu 2006年9月号」より転載)