「山田まん」生地に虎斑竹
竹虎(須崎市)とコラボ
風味アップ パリでPRへ
【香長】香美市の山田高校の生徒が開発した「高校三年生の山田まん」が改良され、今春から販売される。生地に練り込む竹炭を、県外産から須崎市安和にのみ自生する虎斑竹にチェンジ。生徒らは「生地がしっとりして風味も良くなった」と、販促により意欲を燃やす。竹炭を供給する「竹虎 山岸竹材店」(同市)は20日、フランス・パリで開く竹製品の展示会でも山田まんをPRする。
山田まんは、香美市産ショウガが効いた白あんを竹炭入りの黒い皮で包んだまんじゅう。同校商業科の生徒がデザイナーの梅原真さん(69)や、高知市の製菓会社「青柳」と協力し2016年に開発した。
今回の改良は梅原さんの仕掛け。海外でも積極的に竹を売り込む「竹虎」との相乗効果を狙い、昨夏に同社の山岸義浩社長(56)に竹炭供給を依頼した。梅原さんは「高価な虎斑竹やなく、孟宗竹で頼んだつもりやった」が、山岸社長は「先生のお願いやき、虎斑竹を出さにゃあいかん」と勘違い。結果、孟宗竹に比べ厚みがなく、大量生産できない虎斑竹が特別に竹炭化された。
新山田まんは11日、香美市の梅原デザイン事務所でお披露目された。地元色の強まった一品に梅原さんは「最強のコラボや」と満足げ。同校商業科3年の出原武さん(17)は「誇り高い。『高知といえば山田まん』となるよう活動します」と誓った。
生徒らの熱意にふれた山岸社長は「何度も断ろうと悩んだけど、やって良かった」。有名パティシエやデザイナーが集まるというパリの展示会でのPRを約束した。
「青柳」によると、新山田まんの販売は3月初旬の予定。生徒は今後、虎斑竹の特徴などを踏まえ、山田まんのCMも制作するという。
(新聞「高知新聞 2020年1月13日」より転載)