竹の甲冑でいざ「坂下り」
来月6日 スぺインで大会
【須崎】8月6日にスペイン北部の都市、ビトリアで坂道を下る「ボックスカートレース」に須崎市安和の「竹虎 山岸竹材店」が出場する。5月末に完成させた竹の四輪車に加え、新たに竹で甲冑を作り上げた。社長の山岸義浩さん(56)は「スペインの人が、あっと言うのが目に浮かぶ」と意気軒昂だ。
山岸さんは昨年出席したメキシコの「世界竹会議」で、スペイン人男性からレースに誘われた。同市特産の虎斑竹と、竹を生活に取り入れた日本文化を周知しようと参戦を決定。四輪車は竹細工職人の技で、流線形のボディーに仕上げた。
須崎市の竹虎1カ月かけ制作
今回新たに転倒時のけが防止と、もう一押しの竹PRを兼ねて、衣装を考案。江戸期に虎斑竹が山内家に献上されていた歴史に絡め、山内一豊の甲冑を模して、職人が約1カ月かけて作った。
かぶとは厚さが約1ミリにも満たない竹を編み、ヘルメットにかぶせるよう仕上げた。膝当てなどにはかご作りの技を応用。胴部分は竹同士をひもでつなぎ、腰回りは運転席に座れるように調整したという。
山岸さんは「設計図もないのに、職人がよく作った。虎斑竹の美しさ、迫力があらためて分かる」と出来栄えに大満足の様子。近く、現地へ出陣する。
(新聞「高知新聞 2019年7月30日」より転載)