■山岸竹材店
「虎竹二段ピクニックバスケット」
竹細工を施した竹弁当が登場。細工に使用した虎斑竹は、高知県須崎市安和にある、わずか1.5キロの間口の谷間でしか成育しない不思議な竹。かつては土佐藩山内家に年貢の代わりに献上された歴史があるという。細工は、一見すると竹ヒゴを横一文字に通したシンプルな竹編みに見えるが、実際は部材が多く非常に手間がかかるという。
見どころは何といっても、一段目と二段目で編み方の違う内底部分だ。一段目は幅の広い竹ヒゴで「いかだ編み」に編まれ、二段目は虎竹をぜいたくに使った網代編みで仕上げられている。自由に開閉する持ち手や一つ一つの部材は、丁寧な編みこみで強度が高く、要所を真鍮釘で止めているので耐久性が増し長く使えるという。直接地面に付くのを防ぐために高台を底に配置し、衛生面にも配慮した。また、通気性のよい竹製なので、お弁当が蒸れずに食材の劣化を抑える。
サイズは幅約25.5×高さ約21×奥行き約17.5センチ(持ち手までの高さ約26センチ)で、女性でも持ち運びしやすいコンパクトな大きさながら収納力に優れる。深さのある一段目にはフルーツを入れるほか、カトラリーの収納にもなる。二段目に野菜サラダやサンドイッチなどを入れると、2人分のブランチに丁度良い大きさだという。二段ともにお弁当をたっぷり詰めれば3~4人用にも使える。アウトドアやキャンプが増えるこれからの季節に、珍しくデザイン性に優れた虎竹二段ピクニックバスケットで、より気分が盛り上がるだろう。
(新聞「Fuji Sankei Business i. 2018年6月13日」より転載)