とにかく丈夫。蒸れずに水洗いも可
竹どころ高知の個性派草履(ぞうり)
◎竹皮スリッパ/山岸竹材店
冬温かくて夏涼しい、フローリングの床でも快適な室内履きである。材料は筍の皮。作っているのは高知県須崎市にある山岸竹材店だ。
筍の皮は、おにぎりやちまきの包みとしておなじみだが、繊維素材としても優秀。強度があって水に濡らせば加工も自在。高知周辺では昔から筍皮の草履が作られ、小学校の上履きに使われた時代もあった。
見た目はパリパリと硬そう。だが、実際に履いてみると案外クッション性に富んでいることに気づく。滑りやすそうにも見えるが、蛇腹状に編み込まれた緊密な目は、さながらタイヤのように床をとらえ、足裏のツボにもよい刺激となる。藁草履のように細かい屑が出ないのも特長だ。
蒸れず温かいのが特徴。汚れたら洗うこともできる。
高知は竹の産地で筍皮草履も昔から作っていた。数年寝かせしなやかになった皮を、熟練の古老がひと目ずつ念入りに編み込む。
(雑誌「サライ 1998年4月2日号」より転載)