虎斑竹バッグ販売へ
須崎市「竹虎」
【須崎】須崎市安和地区にのみ自生する「虎斑竹」を扱う竹材メーカー「竹虎 山岸義浩竹材店」(同市安和)が、海外進出を目指して改良していた竹バッグの"最終版"が完成した。3月上旬にパリで開かれる展示会への出品を皮切りに、受注販売を始める。山岸義浩社長(53)は「全てが挑戦。竹と日本の伝統工芸の魅力を伝えたい」と気合を入れている。(山本 仁)
虎斑竹は表面に虎のような斑紋が浮き上がる竹。竹虎は、虎斑竹で作った縁台や籠などをネット販売などで全国に販売している。 竹バッグの海外展開は、ニューヨーク在住のバッグデザイナー、中野和代さんと連携して2015年から取り組んできた。従来のデザインをリニューアルし、1年前にはニューヨークの展示会へ試験的に出品。製品化に向けて改良を重ねた。
完成版の竹バッグは虎斑竹の葉で染めた黄色い布地を内側に取り付け、「従来より竹や自然素材にこだわった」(山岸社長)。肩ひもはチェーンと革の2種類を用意。第1弾として50個を製造し、1個約12万円で販売する予定という。
3月2~5日に、パリで開かれるファッション小物の展示会「プルミエール・クラス」へ出展し、現地のバイヤーらにPRする。山岸社長は「不安もあるが、パリでは竹や工芸品の人気が高いと聞く。竹バッグは戦後、日本から欧米に輸出されていた。そういう歴史やストーリーもアピールしたい」と話している。
海外展開用に製品化された竹バッグ(須崎市安和)
(新聞「高知新聞 2017年2月23日」より転載)