竹製EV、1000キロ走破
高知出発から11日、横浜到着
高知県須崎市の工芸店「山岸竹材店」が電気自動車(EV)をベースに竹を編み込んで造った「竹製電気自動車」が11日、須崎市から約千キロの道のりを11日間かけて走破し、目的地の横浜市に到着した。
ゴールは最大出資者の広田実さん(63)が経営する横浜市青葉区の新聞販売店。須崎市の一部にのみ生育するトラ柄模様の「トサトラフダケ(土佐虎斑竹)」に覆われた車が静かに表れると、待ち受けた人々から歓声が上がった。
山岸竹材店の社長で、自ら運転してきた山岸義浩さん(53)は「心細くなった時に応援してくれる人のことを考えて乗り切れた」と涙ながらに感謝。注文していた竹製のかごを受け取った広田さんは「無事に着いてよかった」と長旅の労をねぎらった。
山岸さんは1日に須崎市を出発し、10府県を通過。箱根の山を越える際に電池がなくなるハプニングにも見舞われたが、地元の飲食店で充電させてもらい、乗り切った。
車は光岡自動車(富山市)製の三輪の小型EVをもとに4人の職人が3カ月かけて完成させた。
(新聞「産経新聞 2016年8月13日」より転載)