高知から930キロ 走破目指す
竹製電気自動車、横浜へGO
電気自動車(EV)をベースに、高知県須崎市の工芸店が竹を編み込んで造った自動車が1日、同市から横浜市に向け出発した。製作の出資者に直接感謝の気持ちを伝えるための旅で、11日間かけて約930キロの走破を目指す。
車体には、須崎市内の一部にのみ生息するトラ柄模様の「トサトラフダケ(土佐虎斑竹)」を使い、最高時速は約50キロ。高松市―岡山県玉野市間の瀬戸内海でフェリーを利用する以外は、製作した「山岸竹材店」の山岸義浩社長(53)が自らハンドルを握る。
道中ホテルなどで家庭用電源から充電し、順調なら8月11日に横浜市に到着する計画だ。
製作資金の約350万円は、インターネット上で資金を募るクラウドファンディングで調達。最大の100万円を出資した横浜市青葉区の新聞販売店経営広田実さん(63)に、山岸社長が直接感謝を伝える。
午後9時からの出発式には、須崎市の楠瀬耕作市長や同市公認ゆるキャラ「しんじょう君」が出席。
山岸社長は「田舎の小さな竹屋の力を全国に見せたい」と話し、竹のきしむ音とともに静かに走りだした。
高知県須崎市から横浜市に向けて出発する竹製自動車=1日
(新聞「産経新聞 2016年8月2日」より転載)