朝日新聞コミュニティーペーパービジネス高知 2003年12月号

新聞掲載
高知インターネット通販最前線のコーナーに竹虎が紹介されました。「売れるまで止めない、売れるまで寝ない」インターネット開設からの奮闘を竹虎四代目が語っています。
朝日新聞コミュニティーペーパービジネス高知 2003年12月号

売れるまで止めない、売れるまで寝ない。
e商人魂で月商700万!


創業1894年、日本唯一の虎斑竹(とらふだけ)の里の山岸竹材店。e商人養成塾の中でも一歩先を行くのが同社の虎斑竹専門サイトだ。専務取締役の山岸氏がホームページを開設したのは97年。「これからはインターネットが伸びてくるだろうと考えて開設しました。でも当時は商品がただ並んでいるだけのページで、2000年くらいまでの売り上げがたった300円。広げていたら勝手に誰かが来て勝手に買っていくだろうと思っていました」(山岸専務)。
そのまま3年間が過ぎ、e商人養成塾には2000年の夏に入塾、塾長の岸本氏と出会う。売り上げが大きく変わり始めたのは2001年の5月から。「最初はサイトの運営を人任せにしていたのですが、自分でやり始めると大きく売上が変わってきました。今まで1万とか2万だったものが、月間で16万に。その当時、16万も売れるのかと手応えを感じました。自分の言いたいことを伝えないと売れない。熱さを伝えないと物は売れないということが初めて分かりましたね」(山岸氏)。
同社のサイトは自社サイトと楽天市場店の2店舗。この春出店した楽天市場店も注文件数では自社サイトに並ぶようになってきているものの、客単価には大きな開きがあるという。現在自社サイトの売り上げが月商約550万円。楽天市場で月商150万円。会社全体の売り上げの約2割を占める。

販売促進の鍵となるメールマガジンの読者は約5万人。メールマガジンからの来店での購入者も多い。内容は地域の話題が中心で、竹への熱い思いも込められている。竹の里の田舎の風景を伝えることが、商品の魅力を伝えていくとともに、購入につながっていくと山岸氏は言う。メールマガジンは、客層の違う自社サイトと楽天でセグメントされ、さらに購読歴の長さによってもセグメントされる。購読を続けていくことで徐々に竹虎ワールドに引き込まれ、竹虎ファンになっていく。
しかし、メールマガジンを利用した販促にも陰りが見えてきているようだ。「以前はアドレスが2万件あればメールマガジンで商売できるといわれていました。今、当社は5万件あっても反応が鈍い。メールマガジンが氾濫しているんですね。お客様の中には一日150通来るという人もいる。独自性や差別化が求められています。メールマガジンのマーケティングに限界が来ているのかもしれません」(山岸氏)。
現在のヒット商品は、テレビで取り上げられた足半(あしなか)。「この通常の半分くらいの大きさの草履に美脚効果があるとか、足が細くなるということで、テレビで紹介されて爆発的に売れています。今後はこういうふうにテレビで紹介されて、その直後にインターネット検索して即購入ということもひとつの売り方になっていくのではないでしょうか。要はどうやって検索エンジンで引っかかるか。そういったSEO(検索エンジン最適化)対策もさらに重要になっています」(山岸氏)。
仕事量としては一人でやれる限界が来ていると山岸氏は言う。今後さらに売り上げを伸ばしていくためには、氏と同じ考えで対応できる人材が必要となってくる。多くのショップが同じような「人」の問題で壁に直面しているようだ。ネット通販事業者に突き付けられた大きな課題だ。
山岸氏がe商人養成塾で岸本塾長から学んだことは、「何が何でも売るんだという姿勢」。売れるまで止めない、売れるまで寝ない。できるかできないかがネット通販で成功する分かれ目だと山岸氏は力説する。これこそが、インターネットで売る秘訣なのかもしれない。


(新聞「朝日新聞コミュニティーペーパービジネス高知 2003年12月号」より転載)

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