●いろいろな素材を組みあわせた日置の箕
鹿児島県の日置の箕は、いろいろな材料を組み合わせてつくられます。エゴノキやヤマビワなどのしなやかな枝を曲げて箕の縁に使います。内側の部分に同じような太さで並んでいるのはホウライチクの竹ひごです。それに交差している幅が広くて黒っぽい部分はヤマザクラの樹皮で、細いのがフジのつるです。それにヤマビワの縁をつけ、ツヅラフジのつるで巻いてとめてあります。この本に出てくる、樹皮、枝、つる、竹のすべてが使われています。
竹と書道
多くの筆の軸には竹や笹が使われます。大きな字を書く大筆なら太さが直径10~15ミリ、手紙などの細かい文字を書く小筆は5~6ミリのものもあります。竹・笹の種類が豊富な日本では、さまざまな太さの軽い素材が手に入ります。
竹筆
墨をつけて文字を書く穂先の部分には、動物の毛を使うのがふつうですが、「竹筆」は、竹・笹の先端をたたいてつぶし、繊維をばらばらにして穂先にしたものです。書道に用いられ、独特のかすれのある躍動感にあふれた字が書けます。
(学習絵本「木と日本人 2.樹皮と枝・つる」より転載)