竹細工・竹製品販売 竹虎
軽い気持ちでインターネット販売を始めたが、ノウハウをうまく習得できず、素人くさい状態のままの店は後を絶たない。そんな中で後発ながら先行ショップにひけをとらない店づくりを実現しているのが、高知にしかない虎斑竹(とらふだけ)を使った竹細工・竹製品を販売する「竹虎」である。
サイトの作り込みが実に丁寧で戦略的だ。例えば、トップページ最上部の二行のあいさつ文である。利用者がアクセスした時にすぐ表示されるように画像でなくテキストを使い、しかも二行の中に「老舗である」ということをさりげなく盛りこんである。
他にも、トップページに「何の店なのか」(取扱商品の説明文)、「ウリは何なのか」(虎斑竹の写真)、「信頼できるショップなのか」(老舗の強調、人の良さそうな店主の写真、豊富な決済手段)という客が知りたい三大要素をコンパクトに表示している。
その秘訣は高知県産業振興センターが運営する「e商人養成塾」にある。カリスマ・ネットショップ「イージー」の岸本栄司氏に塾長を委託し、毎月先行ショップの店長を招いて勉強会を開催している。それらが奏功し、塾生には「思いつきで始めました」という店はほとんどないが、中でも「竹虎」は頭ひとつリードしている。
利用者念頭に情報収集
理由は「e商人養成塾」にとどまらない。関西の勉強会にも積極的に出かけていくなど、情報収集能力の高さにあるのではないかと思う。
ネットショップは店長がひとりでこつこつやっていても、もう追いつけないところまできている。情報収集に努力とお金と時間を惜しまないショップだけが生き残っていける時代に入ってきたのではないだろうか。
(ウィンアンドウィンネット代表取締役 込山民子)
(新聞「日経流通新聞 2001年12月4日」より転載)