虎斑竹で電気自動車を
須崎市「竹虎」資金調達中
ボディーなどに使用 強くしなやか素材アピール
虎斑竹は、表皮に虎のような斑紋が浮き上がる珍しい竹で、1894(明治27)年創業の竹虎は、虎斑竹で作った縁台や籠などをネット通販などで全国に届けている。 今回、「強くしなやかな竹材の可能性をもっと多くの人に知ってもらいたい」と、外装やハンドルなどに虎斑竹を使った電気自動車を企画した。山岸社長によると、2008年に京都大学と竹材メーカーなどが連携して製作した例があるという。
基本構造は光岡自動車(富山県)の三輪電気自動車(2人乗り)を活用する。光岡の社員によると、車は「サイドカー付き軽二輪車」と見なされ、車検不要で公道を走行できる。現在は山岸社長と光岡側が、カーデザイナーらを交えて設計を煮詰めている段階という。
出資は8月下旬からネットサイト「kibidango(きびだんご)」で募っており、10月6日まで受け付ける。出資額に応じて虎斑竹製のスマートフォンスタンドなどを贈るほか、完成車に乗って山岸社長と高知市を巡るツアー、安和地区で行う虎斑竹の職人体験なども用意している。
山岸社長は「地方の小さな企業でも、ネットを通じて全国から支援が得られる。ぜひ成功させ、地域の活性化につなげたい」と話している。資金調達の目標額は340万円で、26日午後5時現在、約255万円が集まっている。
【須崎】須崎市安和の竹材メーカー「竹虎 山岸竹材店」が、安和地区にしか自生していない「虎斑竹(とらふだけ)」をボディーなどに使う電気自動車の製作を目指している。山岸義浩社長は「竹の可能性と日本のものづくりを発信したい」。まずはインターネット上で出資を募る「クラウドファンディング」で資金調達に取り組んでいる。(山本 仁)
(新聞「高知新聞 2015年9月27日」より転載)