究める男たちにズームイン!
日本キワメン紀行
vol.034 竹馬を使った大技を日々生み出す男 竹馬メン
高村雅男さん
1971年、東京都生まれ。練馬区で「こうむら歯科」を営む。24歳から竹馬の達人としてテレビ番組に出演し、数々の大会でも優勝。30m走の日本記録、50mブリッジ走(50mプールに渡した幅50cmの板上を駆け抜ける)の世界記録を保持。縄跳び、フラフープ、トラック牽引などの技も生み出した。夢は竹馬協会の設立。
男たちの知られざる生態を紹介し、イマドキ男子の新トレンドを読む!
ラーメンを作って食べるなど、トイレお風呂以外は何でもできますね(笑)
本業は歯医者さんなのに「竹馬の達人」というところが面白いですね。
「子供の頃から運動はできたんですが、24歳の時に「竹馬に乗って障害物を制覇する」とうテレビ番組の企画があって。なんとなく応募したら、制覇寸前まで行ってしまって。」
そこから、本格的に竹馬にのめり込んでいく。
「それ以来、いろんな番組から声がかかるようになり、その都度「こんなことできる?」という要求に応えていくうちに技もどんどん増えていきました。」
ご自宅には専用のトレーニングルームもあるとか。
「3mの吹き抜けを作って高さに慣らしたり、筋トレルームで足の指を鍛えたりしています。今では、指の間に挟んだクルミも割れますよ(笑)。」
技としては、どんなものがあるんですか?
「速く走るのは当たり前で、竹馬に乗りながら縄跳びやフラフープもできます。さらに、ラーメンを作って食べるなど、トイレとお風呂以外は何でもできますね(笑)。」
竹馬は自作されているそうですが、材料の竹はどこで調達するんですか?
「高知県の竹虎という専門店から買っています。とはいえ、節に踏み台用のストッパーが合わないといけないので、使えるのは30本中4、5本なんですが。」
これだけハマる魅力って何でしょうね。
「竹馬って乗れたら終わりじゃないんです。ウチには子供が4人いるんですが、彼らにオリジナルの竹馬を作ってあげる喜びというのも大きいと思います。」
ああ、なるほど
「親が子供に遊び道具を作って与えることって、今の時代なかなかできませんからね。」
数々の大会で優勝
京都府向日市で開催されている「たけうま全国大会」では毎年のように優勝を果たした。
キワメンDATE ROOM
今月の識者 竹虎代表 山岸義浩さん
1963年生まれ。高知県に拠点を置く竹製品専門企業の四代目として竹の可能性を探る。2014年に須崎市の産業功労表彰を受賞。
フランスで竹炭を使ったパンやスイーツが人気
ウチは明治27年創業。今年で121年になります。とはいえ、日本人は1000年以上前から竹を使ってきました。実際に、奈良時代建立の正倉院に伝存する竹カゴもあるほどです。僕は常々「21世紀は竹の時代」だと言っています。3ヵ月で20m伸びる成長力は環境にやさしいし、地下茎の頑強さは古くから防災や護岸工事などにも利用されてきました。また、最近では様々な有名デザイナーが素材として注目しているほか、フランスで竹炭を使ったパンやスイーツが人気になるなど、世界中で脚光を浴びています。たしかに生産量自体は減っていますが、無限の可能性を秘めた資材だと思いますね。
(雑誌「HOTPEPPER 4 2015.April 高知」より転載)