Japan Creative
ステファン・ディーツ×山岸竹材店(高知県)
「竹の性質をきちんと見抜かないと」
JCの新たな3プロジェクト、いよいよ始動!
新たに選出されたマニファクチャ(生産者)が扱うマテリアルは「シリコーン」「竹」「磁器」。
パリ、ミョンヘン、ロンドンをベースに活躍する、インターナショナルなデザイナーたちはこれからの素材をどう料理するのか?
成果が発表されるのは、来年2月開催のストックホルム・ファニチャーフェア。いまから注目しておきたい3プロジェクトを紹介しよう。
どんな素材とも似ていない竹のポテンシャル
ステファン・ディーツ×山岸竹材店(高知県)
日本人が想像する以上に、竹にはデザイナーを驚かせる特徴が備わっているようだ。独特の模様のある虎斑竹(とらふだけ)で有名な高知の山岸竹材店を訪れたステファン・ディーツは、多様な加工法に感動したという。「例えば、1本の竹の先端を割き、割いた部分を編んでザルにしたキッチンツール。割いていない部分はハンドルになる。ひとつの素材なのにふたつの性質を生かしているのがすごい。伝統的な技術もグローバルに通用すると、彼は断言する。
・写真
1山岸竹材店の竹林で説明を聞くディーツ。「生け花や盆栽など日本文化は自然との距離が近いと感じる。竹の日用品もその一例だ」と語る。
2山岸竹材店は大量の竹の在庫をもつ。虎斑竹のほか通常の竹製品も多く手がける。
3希少価値の高い虎斑竹。
4高知では竹製品は木工品と同じように広く流通している。
5「ヨーロッパでも竹の集成材を見かけるが、今回は素材の特徴をうまく引き出したい」とディーツ。
ステファン・ディーツ/1971年ドイツ生まれ。シュトゥットガルトでデザインを学び、リチャード・サッパーとコンスタンティン・グルチッチの事務所を経て2003年独立。e15、ヘイ、トーネットなどで家具を発表している。
(雑誌「ELLE DECOR No.135 DECEMBER 2014」より転載)