自分にしかできない発信を
ビジネスや地域活性化 山岸さん招きFB活用法学ぶ
会員制交流サイト「フェイスブック(FB)」をビジネスや地域活性化に活用するための勉強会が6日、鶴岡市の庄内産業振興センターで開かれた。FBをはじめインターネットで事業を拡大している「山岸竹材店」(高知県須崎市)の山岸義浩社長の講演や地元関係者の事例発表などで、活用の考え方や手法を学んだ。
庄内地方の若手自営業者らで2012年8月に立ち上げたFBビジネス活用勉強会「みんなで集えば文殊の知恵」(工藤友香代表)が、県庄内総合支庁の庄内地域活力支援事業の助成を受け、第20回勉強会として公開で開いた。東京都など県外や内陸を含め約140人が参加した。
山岸さんは「地域活性に命をかける!老舗竹虎4代目参上!」と題して講演。明治創業の老舗の4代目として、特産の虎斑竹(とらふだけ)の製品を製造・販売する中で、1997年からネットビジネスを開始。ブログで毎日、竹のことを語るとともに新製品を次々に開発するなど、地道な努力を重ね、事業を拡大してきた経緯を語った。
ネットビジネスについては「まだまだ市場は伸びる。やっただけ評価されるが、やるべきことをきっちとやらないと生き残れない。才能とは夢を見続ける力のこと」と、すぐには結果がでなくても、地道な情報発信やきめ細かい顧客対応など努力を続ける大切さを強調した。
そして、同郷の坂本龍馬の言葉「世に生を得るは事を成すにあり」を示し、「誰にでも、その人にしかできないことがある。FBで自分にしかできない情報発信を」と呼び掛けた。
これに先立ち。地元の3人が事例発表。地域振興の企画・調査などを行っている「めぐるん」(鶴岡市)の加藤丈晴代表は、「庄内のFB利用者は3万人。自社PRの前に相手をPRする互助の輪が広がりつつある」と紹介。山王まちづくり(同)の橋本匡史さんはネット上で活動資金を募るサイトに関し、FBで協力の輪が広がり、わずか半日で約45万円が集まった「奇跡」の体験を語り、「大人の本気のすごさを実感。好循環と悪循環は表裏一体で、鍵は『やる気スイッチ』とした。また、ネットの「似顔絵ビジネス」で全国シェアトップという「そふと」(酒田市)の我孫子勝広代表は「ネットはあくまで集客の手段。大事なのは商品が本物かどうか」と本業の大切さを訴えた。
(新聞「荘内日報 2014年2月8日」より転載)