ビューティエンスを語るモノたち
盛りかご
竹ひごを編み込んだ竹かご
かつては果物や野菜を入れる容器として日常的に使われていた竹かご。最近では珍しい野菜や季節の花などを入れて、インテリアとして楽しむ人が増えています。
今回ご紹介するのは、高知県須崎市にある明治27年(1894)に創業した竹虎(株)山岸竹材店の竹製の盛りかごです。竹には1本1本個性があり、その個性を最大限に生かしながら製品に仕上げるには熟練の技が必要です。この盛りかごも職人がひとつひとつ手で編んで作っています。 かごの本体部分は細く割った竹ヒゴをうずら編みという技法で編んでいます。底の部分は少し広めの竹ヒゴを網代編みにして、裏側は底が抜けたりしないように、厚みのある竹で補強しています。天然素材で作られた盛りかごは、使えば使うほどしなやかさを増し、手になじむ逸品です。
(雑誌「素肌プラス 2013年 夏号」より転載)