竹の香り漂う"ムレない"弁当箱
2割しか出ない虎斑紋で贅沢気分に
竹虎の「虎竹ランチボックス」は、蓋を開けると竹の香りが立ち上る、通気性の良い竹製弁当箱。表面の渋い黒の虎斑紋は、高知県須崎市安和の竹林でしか生育しない土佐虎斑竹の証しだ。切り出した竹をガスバーナーであぶり、竹から出る油分を拭き上げると、この特徴的な斑紋が浮かび上がる。最近では美しい模様が出るのは、全体の2割程度に減ってしまった天然高級素材だ。
箱形のランチボックスは、内底にも斑紋が見えるよう加工している。蓋と本体は別の竹を曲げてそれぞれ作るが、上下ピタリと合うように作るのは、竹の性質を熟知した経験と技術を持つ匠の技あればこそ。天然の素材のため均一ではない斑紋の見え方にまで配慮して、こうした"角モノ"を作れる職人は、現在5人しか残ってないという。
(雑誌「日経トレンディ 2012年7月4日発行」より転載)