竹皮製のぞうりを履く。
里山に伝わる、昔ながらのぞうりを夏のスリッパにしませんか。
中国のわらぐつをルーツに平安時代のころに生まれたといわれる日本古来の履きもの、ぞうり。『日本昔話』の絵本では、わらで編んだぞうりがおなじみです。また現代では、手づくりの布ぞうりも人気。外反拇指や水虫に効果的といわれ、室内でスリッパ代わりに愛用する人も多いとか。
漢字で書くと、「草履」。その字のごとく、昔の人は身近な植物繊維を利用して、ぞうりを編んでいたそう。現在も高知の里では、その土地でとれる竹の皮を利用して、手編みのぞうりがつくられています。 成長とともに自然にはがれ落ちる竹の皮は、やわらかいたけのこ、つまり竹の赤ちゃんを保護する天然の「おくるみ」。撥水性と通気性を併せ持ち、抗菌作用にも優れています。昔から、おにぎりをはじめ、おすしや生肉など、食品を包むのに利用されていたのもそんな理由からでした。
竹の皮で編んだぞうりは、さらりとした履き心地が魅力。天然資源の有効利用にもなり、エコロジーです。特に省エネを心がけたい今年の夏は、こんな室内履きで足元からさわやかに過ごしたいと思いませんか。
(雑誌「CO・OPステーション 2012年7月10日発行」より転載)