勝手に須崎遺産
勝手に須崎遺産とは「Chu~Chu~」編集部が、末永く須崎に在り続けてほしいモノや、これはスゴイと思うモノを独断と偏見で選び勝手にご紹介するものです。
今回が3年ぶり2回目の特集となりますが、どうか温かい目でみてやって下さいね。
安和の虎斑竹
須崎市安和に、ここにしか自生しない それはそれは珍しい竹がある。
その名も虎斑竹(トラフダケ)。虎模様の竹である。このような竹が出来るのは地中にある菌類が淡竹に寄着して出てくるとも言われているが、はっきりとした理由は分かっていません。この竹が育つ環境には寒さと潮風が肝心だとか。確かにこの竹が生える安和という場所は海に面しており、優しい潮風が山に向かって吹く。そう、この安和という土地の環境だからこそ生えてくる虎斑竹なのである。
竹林も森林のように、間伐が必要。適度な環境にしてあげなければ、竹林は荒れ、虎斑竹も生えなくなる。そんな貴重な虎斑竹を扱うのが、地元では『竹虎』の愛称で親しまれている、創業明治27年の『竹虎 (株)山岸竹材店』。
取材に応じてくれた山岸専務はこう言います。
『この虎斑竹を守り続けるために商品を作っています。それを皆さんが使ってくれることで、会社が存続し、竹を守ることができるんです。』
職人が減り、輸入品が増え、消費が減っていく中、この貴重な価値のある虎斑竹をこれからも守っていきたい...そんな竹虎さんの思いに守られた虎斑竹。
これからも須崎の遺産として大切に守っていきたい地域資源である。
(雑誌「Chu~Chu~ 2011年秋冬号 vol.11」より転載)