会社 東西南北
竹虎 山岸竹材店(須崎市) 山岸義浩社長(中)
HPを工夫 売上高急増
1997年、高知特産のかんきつ類・文旦を栽培する友人からインターネット通販で売り上げを伸ばしている話を聞き、妻が通販用のホームページ(HP)を作った。商品が売れると皮算用したが、現実は厳しかった。HPの更新もほとんどしなかったため、2000年までの売り上げは300円のレターセット一つだけだった。
県内のネット店のオーナーらでつくる「e商人養成塾」の勉強会に参加した。学んだ通り、HPの商品説明を丁寧にし、簡単に購入商品を選べる「買い物かご」機能を付けると、01年末には売上高が月100万円に増えた。HPの作成を担当するEC事業部(4人)を04年に設立した。現在は売上高の約6割をネット通販が占める。
2年半前、ファックスの受け付けを始めた。手書きの文字や心温まるイラストを描いたメッセージが毎日届く。事業部の壁にこのメッセージを貼り出し、従業員の士気が高まっている。IT技術を使っても伝統と顧客への真心を大切にする老舗の誇りは忘れてはならない。
(新聞「読売新聞 2011年9月14日」より転載)