週刊日流eコマース 2009年8月27日 第0092号

新聞掲載
有力EC経営者が語るわが社の転機のコーナーに掲載されました。地道な積み重ねをしてきたことやユニクロとの共作が従業員の誇りにつながったことなどが紹介されています。
週刊日流eコマース 2009年8月27日

有力EC経営者が語る
わが社の転機


山岸竹材店 山岸義浩 社長

■岸本氏と出会い
97年のサイト開設から00年まで、竹の和紙でつくったレターセットの1商品(価格は300円)分の売り上げしかありませんでした。サイトをつくっても売れない状況のなか、高知県内で開かれた「e商人養成塾」という勉強会で、その後の当社の成長を語る上で欠かせない人と出会いました。
当時、EC業界でカリスマ店長として知られていた「京都イージー」の岸本栄司社長です。勉強会では「他人のサイトでモノを買い物しますか?」と問われ、気づかされたのです。他のサイトで商品を購入することで、いい面を自社のサイトに取り入れるようにしていきました。

■地道な積み重ね
岸本社長はよく「ネットはスピード」といっていました。月1回の勉強会では1つ課題が出され、その日の夜12時までに必ず実践しました。それで成果が出たのかといわれれば分かりません。しかしネットでモノを売るためには、情報発信を毎日できるかどうかだと思います。新商品をアップしたり店長ブログを更新したりと、地道な作業を毎日どれだけこなすことができるか。小手先のテクニックはその時だけしか通用しない。毎日の積み重ねが大事――岸本社長が投げかけた課題の答えだと思います。
ユニクロとの共作 従業員の誇りに

■ユニクロから声
竹商材なんかネットで売れるかといわれていました。しかし、商品開発やオークション、共同購入などの企画を行うことで購入者が増えました。それに伴うようにして、「ベストECショップ大賞2007準大賞受賞」「イーコマース事業協会エビス大賞09大賞受賞」など、ECに関するアワードをいただき、知名度も上がっていきました。
そんななか、08年にはユニクロ(山口市)から声をかけていただき、当社とのコラボレーションによるTシャツを販売することになりました。地方の小さな会社ですが、ユニクロとのコラボは、従業員や家族にとって、仕事に対しての誇りにつながったようです。
地方経済は疲弊しています。ある地域では高校生の就職率が前年の半減に落ち込んだか。でも、ネットを使った情報発信を行えば、地方が活性化する可能性もあるはずです。地方の竹材業者が賞をいただいたり、ユニクロとのコラボで全国の人に知ってもらったりできたことは、インターネットが起こした奇跡だと私は思っています。

山岸竹材店
創業1894年の竹材専業メーカー。
所在地は高知県須崎市。
自社サイト、楽天市場、ヤフーショッピングなどで竹専門商材のECサイト<竹虎>を運営。
ネット関連のアワードの受賞歴多数。


(新聞「週刊日流eコマース 2009年8月27日 第0092号」より転載)

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