STROLL BAG ストロールバッグ
夏の思い出を運ぶ、散歩バッグ
永井荷風は外出時にバックを必ず持ち歩いた。孤高を楽しむがゆえ買い出しの際は籠バッグを、晩年は財布や貴重品が入るスモールサイズのバッグを愛用していた。この項では荷風も愛した籠のバッグとワンマイルバッグをストロール(散歩)バッグとして紹介する。ダンディズムを身につけるためには、まず質の良いバッグを持つことをお勧めする。
竹虎 男の桐下駄
「焼き磨き」という技法で製造された竹虎の桐下駄。塗装ではだせない高級な質感と深い味わいが魅力。木肌のやさしさや、足入れの感触など履き込むほどに足に馴染んでくる。底はゴム張り仕上げ。
竹虎 染籐手提げかごバッグ
繊細ながら強度のある高級藤皮を採用した籠バッグ。熟練した職人がヒゴの一本一本を手作業で編み込んでいるため強度に健ける。藤独自の渋い光沢やツヤ、軽量などが魅力。
黒竹ござ目編手提げかごバッグ
黒竹の渋い色目と細やかな竹芸士の技が独特の存在感を醸し出す趣ある竹籠バック。特有の色と編み目の変化で、懐かしさを感じる雰囲気+現代的なテイストをミックスした。持ち手の竹は高級感ある鳳尾竹を採用。
虎竹バッグ ニューヨーカー
モダンなデザインと露骨な虎竹で作られた竹虎の「ニューヨーカー」。30~40年前には日本の輸出品として製造されたバッグを再現したアイテム。持ち手は藤巻きという技法を使っている。
虎竹男右近下駄
天然記念物に認定されている虎竹を四角形に切断して桐下駄の台にきっちりと配した逸品。自然素材ならではの足入れの良さは抜群。履き込む程に虎竹が渋く飴色に変化していく。
(雑誌「Free&Easy 8月号」転載)