竹虎
高知県須崎市にある"虎竹の里"にしか生育しない虎斑竹(虎竹)を利用した、竹製品を販売、取り扱うのは、竹皮のぞうりや竹箸、竹カゴ、雑貨類など約1000アイテム。独特の模様を持つ虎斑竹は高級素材として注目を集めている。
「竹のあるくらし」提案
日本人が古来より慣れ親しんできた竹製品。箸、カゴ、ザル、筆など枚挙に暇はないが、近年はプラスチックやステンレスなどに置き換わっていることもあり、需要は減少しつつある。そんな中で、山岸竹材店の運営をする「竹虎」は、竹製品の専門サイトとして毎年売り上げを着実に増やしている。高知県須崎市の一部の地域にしか生息しない、虎斑竹(とらふだけ)という竹を使っているのが最大の特徴だ。虎斑竹とはその名の通り、表面にトラの皮のような独特の模様がある独特の竹。竹虎は世界唯一の虎斑竹専門店だ。
サイト開設は1997年までさかのぼる。買い物カゴなどは設けておらず、もっぱら情報の発信を行っていた。竹虎は明治27年創業の老舗だが、需要低迷に悩んでいた。「虎斑竹の希少性や『竹のある暮らし』をアピールしたかった」(店主の山岸義浩さん)。本格的にネット販売を開始したのは2001年5月。商品の希少性も手伝い、売り上げを順調に伸ばしている。商品説明ページでは写真を多く使って丁寧に紹介。特に、顧客の声や顧客からの質問とその答えを商品ごとに紹介しているのが目をひく。例えば、ぞうりの紹介ページでは、いたみがちなかかと部分の手入れ方法を、写真を使って解説。「当たり前のことでわざわざ説明するまでもないと思っていた。でも、質問が来て、竹に馴染のない都会の人は知らないということに気付いた。まさにお客様と一緒に作ってきたサイトです」(同)。
サイトの発展は、"虎竹の里"周辺の人たちの協力もあってのこと。30軒の人たちが、製品を作ったり、製品に使う竹枝を集めたりといった内職を行っている。竹虎のネット販売は、地域活性化にも貢献しているのだ。トレードマークが提供する「トラストマーク」の導入も予定しており、顧客の信頼度を高めた竹虎のさらなる成長が期待できそうだ。
トラストマークとは?
通販サイトを審査・認定する、日本で唯一の第三者認証機関(株)TradeSafeが保証する、信頼できるショップの目印。
(雑誌「月刊ネット販売 2009年6月号」より転載)