高知県・虎斑竹(トラフダケ)
日本唯一の竹でつくる熟練の手仕事
竹で編んだお弁当箱は、通気性がよく蒸れません。西日本の暑く食材が傷みやすい地方ではとくに重宝されてきました。なかでも、竹製品の老舗・竹虎では、表面上に虎皮状の模様が入った虎斑竹を使用。これは高知県須崎市安和の虎竹の里でしか採れない特産品。国の天然記念物にも指定されている、貴重な資源なのです。虎斑竹をバーナーであぶると竹から油分が出て、それを吹き上げると虎模様が浮上。熱して柔らかくしながら、ひとつひとつ手作業で編みます。頑丈で、ていねいに扱えば一生使えて、徐々に味わい深い飴色に変化していきます。
写真:虎竹ランチボックス
高知県須崎市
安和
太平洋に面した漁師町。地元で育った竹を使った竹細工が古くから盛んです。草履やざる、市場カゴ、手提げバッグ、竹箸などなど。四万十川流域に行くと、ひのきがあり、木製品も増えますが、お弁当箱は、気候の特性もあり、通気性のよい竹製が主流。高知に限らず、四国全体が竹の産地として知られています。
(雑誌「天然生活 2009年 7月号」より転載)