虎竹縁台
南国土佐で育成された珍種の竹を使った折り畳み縁台
(写真横のテキスト)
山岸竹材店のある高知県須崎市の安和の谷に、虎斑竹という珍しい竹が群生する。
檜製の丈夫な脚は、左右とも折り畳むことができるので、収納や持ち運びにも便利だ。
竹虎 虎竹縁台
環境保護を目指し、檜の間伐材を脚にするようになった。
ふたりで掛け、真ん中にお盆か、将棋盤を置く。そんな使い方にちょうどいい大きさだ。脚は檜(ひのき)の間伐材を使っているので、据わりがいい。日差しが弱まり始める夏の夕方、ご隠居気取りで夕涼み。隣に誘うのは奥方か、それともご近所さんだろうか。
両端の太い2本は虎斑竹【とらふだけ】(虎竹ともいう)、中に敷かれるのは黒竹である。いずれも破竹(はちく)の一種。この種の竹は、ある風土の中で育つと、斑紋をつけたり、色づいたりする。菌類の仕業ともいわれる。中でも珍重されるのが虎斑竹だ。
高知県須崎市の山岸竹材店が虎斑竹の育成を始めたのは、大正4年のことだった。以来、今日まで少量ながら無事に育っている。請われて全国各地で移植を試みたが、他の地方では、どうゆうわけか斑紋が現れなかったという。
(雑誌「サライ 2008年7月17日号」より転載)