昨年を振り返ってみて、自分の中で最も嬉しく、大きな出来事であったのが焼坂頂上の尾根伝いに運搬機の通る道を作ってもらったことでした。その道のおかげで新たに2ヶ所の山から虎竹を運び出せるようになりました。数十年前にはその山から30~40分かけて下まで運搬機で運び出していたようですが、その山の切り子さんが高齢のため辞められてからは、誰も入ることなく荒れ放題になっていた山です。
切り子さんが高齢になり、どんどん減っていき、こんな遠い山から運び出すより道が近くにある竹の出しやすい山を優先して伐採をしたほうが効率的で楽なので、どうしてもこんな遠い山には入らなくなってしまいます。下から上がる道も大雨などで崩れたりしてとても上がれる状態ではなく、その道を整備するのも大変です。
何度か荒れた山道を上がってみたものの、その荒れ方のひどさに半ば諦めていた時に、山の頂上にある手前の山から道をつけてくれるという方が現れ、運搬機が通るにはもったいないくらいの全長680mの道を新たに作ってもらいました。手前の竹林から隣の竹林まで杉林を尾根伝いに横切り、運搬機が竹を積んで動けるようにと微妙に勾配も考えながら、また尾根伝いの道だけでは伐採した竹を全部ひっぱり上げて来ないといけないということで、別に2本の竹林の中を横切る道も通してもらいました。
2ヶ所ほど、カーブがきつくて曲がり切れない所があったのですが、、そのカーブも木を切ってカーブを緩くしてもらったおかげで無事に曲がれるようになりました。自分だけではとても新たに道を作ることなどできるわけもなく、こうして運搬機を使って虎竹を伐り出せるような道をつけていただけたことに感謝と喜びしかありません。今年に入ってからもこの道を通って、トラックの入れるところまで虎竹を何度も運び出しています。
この素晴らしい道のついた山をこれからどう育て、活かしていくのかは自分たちの仕事です。しばらく入ってなかったので竹は古く、立ち枯れしている竹も多くありますが綺麗な竹もちらほら立っています。この山を整備し、これからどうなっていくか、いい虎竹が育ってくれるか楽しみで仕方ありません。
そしてそれ以上にまだまだ行けてなかった遠い山にもこうして道を作れば入って行けるという希望をいただけたのが一番嬉しかった。こうして周りの人に助けてもらいながら、これからもなんとかやっていかねばと思わせてもらえた希望の道作りとなりました。