竹は切る時期秋から冬にかけてと決まっており、今シーズンの虎竹の伐採は1月いっぱいで終了しました。その後、枝を払って束にしてから、山からの運び出しの作業がありますが、それもあと1ヶ所を残すのみとなりました。今年は雨が多く、山道が滑って運搬機が上がれないために少し遅れています。
全国的に竹を伐る切り子さんが減っていると耳にしますが、虎竹の里も同様に切り子さんが減っています。竹の伐採といってもただ竹を伐るだけではなく、まず伐採できるように下草を刈ったり、竹を運び出す道の整備をしたりすることから始まります。
それから伐採をし、枝を払い、束にしてトラックの行けるところまで運搬機で運び出さなければいけません。基本的には上から降ろしてくるところが多いのですが、虎竹の山は急勾配の山が多く、運搬機の上がらない場所も少なくありません。今後はそんな山にも運搬機を上げていけるよう、道の勾配を緩くするように整備したり、運搬機の馬力や荷重のバランスをしっかり取るような工夫も必要です。
自分たちの管理している山には道が上にある場所もあり、そこでは運搬機で運び上げができないために人力で運び上げています。こちらもワイヤーを張って引き上げる方法を試したいと考えています。
また虎竹の伐採には竹の年齢を見分けるのはもちろんのこと、その山の色の付き方や竹の生え方を知らなければ伐ることができません。1年だけ伐ればいいのなら、色付きの良い竹をどんどん伐っていけばよいのですが、そうすれば次年度以降の虎竹の色の付き方が悪くなってしまいます。
伐採の知識や経験だけでなく、山道の整備や運び出しまで自分ですべてやらなければいけないと考えるとなかなかの重労働で、ハードルが高く、新しく切り子さんが増えないのも仕方ないのかもしれません。
切り子さんが減り、出てくる竹も減ってきているので、竹虎では10年ほど前から本格的に自分たちで竹の伐採も始めました。これも昔からの山の関係者や切り子さんとの関係があり、すんなりと山に入れる環境のおかげだと感謝しています。
伐採後は竹にキズをつける立ち枯れ竹や陽当たりを悪くしている木の伐採など、来年以降のために山の整備に入ります。暑くなる前になんとか時間を見つけて山に入りたいと思います。竹は伐る時期が決まっているので、その時期だけ山に入ればいいように思う人もいるようですが、そうではありません。
竹は日本中のあちこちで見られ、身近な存在であるのですが、竹屋が使えるいい竹は限られてきます。伐採や山の整備も考えると、自分たちの使っている竹の価値はもっと上がっていいはずですし、その価値に見合うような仕事をこれからもしていかねばと思うのです。