虎竹の伐採も1月で終わり、山から運び出された竹が虎竹の里に降りてきています。切り子さんがトラックの入れる道まで運搬機で運び出し、それをトラックに積み込んで土場まで運び出し、それを大きさや色などで1本1本選別して規格ごとに分け、規格ごとに決められた値段で買い取るというのが虎竹の買い取り方法です。その買い取りを虎竹の里では受け取りと呼んでいます。
一般的に黒竹や破竹などの竹は大きさによって1束に入れる本数が決められており、その本数で山で束にし、その束ごとの値段で竹を買い取っています。2トントラックに乗る束数はおよそ100~130束ほどで、その束数に応じて買い取りの金額が決まります。
しかし虎竹は1本1本を見て、25通りの規格に分けての買い取りです。2トントラックに乗る本数は大きさにもよりますが、1300~1600本ほどです。それをすべて色や大きさや傷や竹の良し悪しによって選別するだけでも、他の竹とは手間が大きく違います。こんな仕入れ方法を取っている竹は虎竹だけでしょうし、こういう作業をしているのも虎竹の里しかないと思います。
仕入れの際の選別は自分がやるので、毎年出てくる数万本の虎竹のすべてを見ていることになります。出てくる山や伐り出してくる職人さんよって虎竹は微妙に違ってきます。選別も職人さんのクセや技量によって特徴的に違いがでます。それらもすべて理解していないとスムーズに、正確な受け取りはできません。
切り子さんは山での虎竹を一番知っています。竹細工職人さんは油抜き後の虎竹を割ったり剥いだり編んだりして、よく知っています。逆に言えば、切り子さんは伐って出した後の竹を、竹細工職人さんたちは山での虎竹を知りません。その両方をよく知っているはずの自分たちが両方の橋渡しをしっかりやって、より良い虎竹を提供できるよう、もっと虎竹を知っていく必要があると思うのです。